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SL「心臓部」 ボイラー工場に移送 NHK静岡 三上弥アナ  鉄道

復活運転目指す蒸気機関車 台風15号に伴う記録的大雨被害 復旧・復興の「旗印」 8400万円余りの寄付 クラウドファンディング活用
  • 2023年01月17日

     三上弥 NHK「現場のことば」第37回

半世紀近く動かなくなっていたSL=蒸気機関車の「復活運転」を目指している静岡県の大井川鉄道で、令和5年1月16日、機関車の「心臓部」に当たるボイラーが運転台などから切り離され、修理工場に運ばれました。

蒸気機関車「心臓部」 ボイラー工場へ

この記事の末尾に「蒸気機関車『心臓部』ボイラー工場へ」の動画を掲載しています。

動態化「復活運転」目指す C56形135号機

復活運転を目指すのは、戦前に製造された蒸気機関車「C56形135号機」です。
(しー・ごじゅうろくがた・ひゃくさんじゅうごごうき)
大井川鉄道は、昭和49年に廃車になった車両を再び走らせる「復活運転」を目指し、修繕を行っています。鉄道愛好家や専門家にとっては「動態化(どうたいか)」と言ったほうが分かりやすいかもしれません。文字通り、動く状態にするということです。

Steam Locomotive の頭文字から、日本では蒸気機関車をSLと呼んでいます。

昭和13年製造 全長14メートル余り
動態化「復活運転」 目指す 

機関車「心臓部」 ボイラー工場に移送

島田市にある大井川鉄道の倉庫から機関車が運び出され、作業員たちが機関車の「心臓部」に当たる長さおよそ7メートルの円筒形のボイラーを、バーナーを使って運転台や車輪などから切り離しました。

修繕のため 各部品を分解して調査する

ボイラーは内部の配管部分がさびたり、塗装がはげたりしていました。
ボイラーはこのあと、クレーンでつり上げてトラックの荷台に載せられ、専門の修理工場に運ばれました。

クレーン活用

工場で部品を詳しく調べた上で、「交換」や「修繕」が行われるということです。

円筒形の「心臓部」に各部品が付けられている
さびや塗装の状態がよく分かる

機関車は、このほかの部分も分解して「修繕」が行われる予定です。

動態化「復活運転」の意義

大井川鉄道の広報担当・加冷英鵬(かれい・ひでゆき)職員は、「戦前生まれ」の蒸気機関車を修繕する意義についてこう語りました。

SL「動態化」に向けて修繕する意義は

「昭和の鉄道文化を未来に伝承していくという意味もあるので、末永く走らせられるようにしなければならないと思っています」

「動態化」経緯  振り返り

NHKニュース 令和5年1月16日放送

SLの「復活運転」を目指すクラウドファンディングは、創業100年という節目を目指して令和4年9月20日に始まりました。

その3日後=9月23日の「秋分の日」の夜から、大井川鉄道は、台風15号の接近に伴う記録的な大雨による被害を受けました。

ここで確認しておくのは、SLの動態化=「復活運転」に向けたクラウドファンディングの取り組みは、記録的大雨による被害を受けて始めたものではないということです。クラウドファンディング開始が先、災害が後(あと)という時系列になっています。

鉄道会社は、SLの「復活運転」を、記録的大雨による被害からの復旧・復興の「旗印」、いわばシンボルと位置づけ、支援を呼びかけて8400万円あまりが集まりました。

鉄道会社では、こうした資金をもとに、大雨被害からの復旧・復興に加え、150年余りの歴史がある日本の蒸気機関車を見てもらい「鉄道文化の継承」にも役立てたらと、考えています。

SL「鉄道文化継承」 大前提

国内ではすでに、SLの新規製造を行っていません。このため、蒸気機関車の鉄道文化を継承するためには、現存しているSLを整備したり修繕を施したりして事業を進めることになります。

今回紹介したSLは令和4年2月まで、兵庫県内の公園で屋根のない場所に展示・保存されていました。すでに動かない機関車だったので「静態(せいたい)保存」と言います。

静態保存 から 動態化 に向けて

大井川鉄道が「C56形135号機」の営業運転を目指しているのは、令和7年度です。

解体の話もあった「静態保存」のベテラン機関車がどのように復活を遂げるのか、「動態化」に向けた修繕作業は続きます。

必見! この記事の動画はこちら 

【 NHK NEWS WEB 】👇クリック

https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20230116/3030018942.html

 

  • 三上 弥(わたる)

    アナウンサー

    三上 弥(わたる)

    平成6年度、NHKにアナウンサーとして入局。
    NHKニュース、国会中継をはじめ、報道分野の業務を中心に担当。
    NHK WEB に「現場のことば」連載中。

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