宮城県大崎市の3両のSL"C58" なぜここに?今後はどうなる?

宮城県大崎市に展示されている3両の蒸気機関車“C58”。なぜこの場所に設置されたのか、今後どうなるのかを調べました。

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3両のSLの保存場所

陸羽東線(宮城県の小牛田駅〜山形県の新庄駅)では1972年頃までSLが使われていました。展示されている3両のSL(蒸気機関車)はC58形(愛称:シゴハチ)という形式で、中山平温泉駅前、岩出山の城山公園、そして西古川児童遊館に静態保存されています。

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このうちのひとつ、大崎市の中山平温泉駅前に保存されている「シゴハチ」を訪ねました。引退して48年になるこのSLは実際にここ大崎市を走っていた機関車で、「地域の発展に貢献した」ということで当時の国鉄から無償貸与され展示されることになったということです。
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経年劣化のため解体・撤去の方針

保存から40年以上経ち、塗装が剥がれたり、部品がさび付いたり経年劣化が相当進んでいました。内部にアスベストも使われており、地域住民からは「解体して撤去してほしい」という声があがりました。

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声を受けた大崎市は一昨年3両全てを「解体して撤去」という方針を決めました。その後アスベストに関しては調査を行い、飛散してないこと、飛散防止の処置も行なったということです。解体・撤去の方針は昨年9月に発表されました。

保存を求める声も

一方、今年10月10日に城山公園のSL前で「シゴハチ」の「修繕と保存」を求める市民団体「陸羽東線シゴハチ歴史保存会」が会合を開き、およそ30人が参加しました。

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ウェブ会議アプリで山口県などを結び、劣化したSLを蘇らせた事例などが紹介されました。こうした事例を参考に大崎市のSLも蘇らせようと計画を練っています。

市の対応は?

こうした声に対して大崎市は、中山平のSLは今年度中に解体し撤去する予定、残りの2両については保存会との協議を継続中、ということです。戦前につくられ、戦火を免れたなSLは貴重ということで、今後どのような協議となるのか注目していきたいです。