空から地域に注目! 丸森町

ヘリコプターで宮城県内各地を訪ねるシリーズ「空から地域に注目!」。今回は2019年10月の台風19号による豪雨の影響で、堤防の決壊や土砂崩れなど大きな被害を受けた丸森町です。復旧・復興が進む町の様子を取材しました。

(仙台放送局 太田直希カメラマン)



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役場や学校が集まる町の中心部には、新しい災害公営住宅と町営住宅が作られました。5階建ての集合住宅と木造平屋建ての建物、合わせて46棟・160戸が整備されました。7月14日には最後の1棟が完成し、引き渡し式が行われました。

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住宅の部屋割りについては、住民の希望を受け付けたほか、入居前から住民同士の交流の場を設けるなどコミュニティの形成に努めてきました。2棟ある鉄筋コンクリートの建物には外階段が設けられていて、水害などが発生した時には屋上が一時的な避難場所になります。

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この住宅の近くでは、次なる水害へ向けた備えも進んでいます。市街地の排水が追いつかずに浸水してしまう「内水氾濫」を防ぐため、雨水を川へと流す新しいポンプ場を整備中です。

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すでに復旧した従来のポンプ場と合わせると、豪雨の前と比べて、およそ2.5倍の水を排水することができるようになるということです。新しいポンプ場は、2023年度中の完成を目指しています。

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宮城県と福島県を結ぶ「阿武隈急行」です。丸森町内では、川沿いを走る線路近くの斜面や
駅舎、ホームなど29か所が被害を受けましたが、復旧作業を経て、大雨から1年後の
2020年10月に全線で運転を再開しました。鉄道会社によりますと、近年の災害による運休で利用者数が減っていましたが、客足は徐々に戻りつつあるということです。

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阿武隈川の支流、内川のそばにある「不動尊公園キャンプ場」です。豪雨でテントサイトが土砂に覆われたほか、コテージも一部損壊しました。ボランティアなどの支援も受け、特に被害が大きかった区画を芝生広場として再整備。ピクニックやバーベキュー、川沿いの立地を生かした水遊びなどでも楽しめます。

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昨年9月にはキャンプ場のそばを走る道路が復旧しました。「県道丸森霊山(りょうぜん)線」です。21か所が損傷し、復旧工事が続いてきましたが、2022年9月に全線が復旧しました。これにより、これまで利用されてきた「う回路」と比べると、町の中心部から南部の筆甫(ひっぽ)地区まで10分ほど早く向かえるようになりました。

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豪雨災害からことしで4年となる丸森町。復旧・復興を着実に進めつつ、次なる水害に備える様子が空から伺えました。

動画はこちらからご覧ください。



※「地域に注目!」仙南地域のページはこちら

 

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仙台放送局
太田直希カメラマン
2022年入局。仙台市出身。
地元宮城の防災の話題を取材。
気象予報士・防災士の資格を持っています。