全試合出場中!38歳になる仕事人 ~B1 仙台89ERS 片岡大晴選手~

B1・仙台89ERSを象徴する存在、片岡大晴(かたおか・まさはる)選手。
“ソルジャー”の愛称でファンに親しまれるベテランですが、
リバウンドに果敢に飛び込むガッツあふれるプレーは38歳になる今も健在です。
ベンチにいる時間帯でもタイムアウトを取ると先頭で仲間を大きな声を出しながら迎えます。

チームは昨シーズン最高勝率を残した強豪・千葉ジェッツと、12/23(土)、24(日)に対戦します。

今回は、24日(日)の試合の日に38歳の誕生日を迎える片岡選手にフォーカス。
片岡選手の今シーズンのここまでの歩みを、
千葉ジェッツ戦の見どころを交えながらご紹介します!

(仙台局アナウンサー・黒住駿)


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38歳になる今も地元・仙台で貴重なベテランとして充実したプレーを見せる
地元・仙台市出身の片岡選手。
市立仙台高校で冬の全国高校選手権(=ウィンターカップ)に出場するなど着実に力をつけ、
栃木の白鴎大学を経て、日本のトップリーグ入りしました。
22歳でバスケットボール選手としてのキャリアをスタート。
5度の移籍を経て、今シーズン16季目を迎えています。

ベテランの片岡選手ですが、
流れを変えたり、チームの勢いを持続させたりするために重要な
89ERSに欠かせないベンチプレーヤーとして、
今シーズンはここまで全22試合で途中出場(※第13節まで)。
シーズン60試合のうちの約3分の1を過ぎ、
ケガやコンディション不良での欠場を余儀なくされる選手も複数出てきていますが、
片岡選手は自身の役割を全うしています。

今季のプレーについて片岡選手は、
「充実感を持ってシーズンを戦えている。
目の前の1試合1試合を大事にプレーしようという意識が良い方向に出ている。いいイメージでプレーが出来ている感覚があるので、続けられるように引き続き全力でアプローチしていきたい」と手応えを口にします。

実際、昨シーズンは12月までの14試合で2桁得点は1試合のみだったものの、
今シーズンは既に4試合で2ケタ得点を記録。
得意の3ポイントシュートでもキャリアハイに並ぶ1試合4本を沈めた試合もあり、好調ぶりが伺えます。

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(練習中の片岡選手は全力ダッシュ)

若い頃から欠かさないという“試合後の入念な身体のケア”
仙台89ERSのホームゲームなどの取材でアリーナに足を運ぶと、
試合後に入念な体のケアを行う片岡選手の姿を何度も目にしてきました。
柔らかいチューブを使う地味な動きですが、
いくつものメニューを、じっくりと時間をかけて筋肉を伸ばす動きを繰り返します。

片岡選手に目的を聞くと、
「身体の可動域・柔らかさを保つために欠かすことのできない習慣で、年を重ねる前から意識してきた。自分のプレーを100%出すためには大前提となる部分なので、プロとしては当然だと思って取り組んでいる」と、クールに語ってくれました。

さらに、
「やはり何よりも大事なのはメンタル面。
Bリーグも年々、若い選手のスキルとかプレーの精度が上がって、全体のレベルが向上してきている。活きの良い世代に対抗するためには、自分が気持ちの面で負けていてはいけない。上手い選手が増えても、それを埋めるのは自分を信じる力とか覚悟だと思う」と片岡選手。
 
 積極果敢に大きな選手に対しても恐れずに立ち向かい、
ベテランになっても声を張り上げて感情をあらわにする片岡選手。
ソルジャーの名にふさわしく、
今も闘志を込めたプレーを信条とする片岡選手らしさをその言葉から感じました。

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常に謙虚な思いでバスケットに向き合う


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長く現役を続ける片岡選手ですが、
アマチュア時代、今の姿は想像できなかったと言います。
38歳の誕生日に迎える千葉戦に話を向けると、
「誕生日当日にゲームを迎えることはここ数年なかった上、
自分自身は学生時代にエリートではなかったので、この年齢までコートに立てているとは思わなかった。千葉の西村文男選手は1つ下の世代だけど、近い世代にはやはり刺激をもらう。西村選手は学生時代から素晴らしいプレーヤーで、今もクレバーにプレーしていて尊敬する。自分は全然大したことない選手だったので。」と控えめに語ってくれました。


常に謙虚な姿勢でバスケットと向き合い続けてきた片岡選手。
コツコツと1歩ずつ歩みを進めてきたことが、
89ERSの最年長選手としてチームを引っ張ることにつながってきたのだと感じました。

仙台は、今シーズン最初の千葉戦に勝利。1勝1敗の対戦成績で今節を迎えます。
振り返ると、昨シーズンは、リーグ記録となる連勝を続けていた千葉に、仙台が勝利。
3か月負けなしで勝ち続けていた千葉を「24連勝」で止めました。
この試合では、片岡選手が途中出場で11得点。
5本放ったシュート(3ポイントは1本)を全て決める大車輪の活躍を見せており、
12/24(日)の片岡選手のバースデーゲームでの活躍にも期待です。

取材の最後に、
片岡選手にクリスマスイブの誕生日を本人はどう感じているのかぶつけてみると、
「誕生日にプレゼントをもらうのではなくて、クリスマスイブは家族にプレゼントを渡すことが多いので、それは逆に新鮮で嬉しい気持ちです。久しぶりに誕生日にプレーできるので、最高の姿を届けたいです!」

38歳となるクリスマスイブに輝くベテランの姿、期待しています!

(仙台局アナウンサー・黒住駿)