多彩なキャリアの3歳馬が頂点を狙うGⅠ皐月賞

アナウンサーの黒住駿です。
競馬のGⅠレース「皐月賞」が4月17日(日)に行われます。
皐月賞は、クラシック三冠と言われるレースの1つで、一生に一度、3歳馬だけが出走できる名馬への大きな登竜門です。

その皐月賞で、馬が出走前に周回するパドックの実況を担当します。
今回、初めて調教が行われるトレーニングセンターの取材に行きました。

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<早朝から調教の準備をする競走馬>

今回取材したのは、茨城県の美浦トレーニングセンターです。
ご存知の方も多いと思いますが、競走馬の朝は非常に早いです。
朝日が昇る午前5時半、すでにこれから調教に向かう馬が歩いていました。

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<調教コースに向かう競走馬>

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<注目のイクイノックス>

この時期、調教コースの開場は朝6時。続々と馬が入っていきます。

美浦に所属する競走馬は2000頭前後。
改めてGⅠに出走する馬が、どれだけ多くの競争を勝ち抜いてきたのかを肌で感じました。

写真の調教ゼッケン「2」が、今回注目の一頭、イクイノックスです。
イクイノックスはまだ2戦の出走ですが、ともに1着。
大きなレースである重賞でも勝利し、2着に2馬身半を離した内容からも期待されています。
名ジョッキーとして知られるクリストフ・ルメール騎手が乗って、トレーニングを行いました。

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<会見で質問に応じるクリストフ・ルメール騎手>

コースを走る様子や、ジョッキーや調教師の会見を取材します。

取材を踏まえ、今回の皐月賞の見所をコンパクトに紹介します!

①2歳GⅠの勝ち馬が初対決!
最優秀2歳牡馬のドウデュースと、GⅠホープフルステークスを勝ったキラーアビリティ。
この2頭が初めて同じレースで出走します。
ドウデュースは、去年12月の朝日杯フューチュリティステークスで勝利しています。
一方で、キラーアビリティが勝利したGⅠは、皐月賞と同じ中山競馬場の芝2000m。
ホープフルステークスを勝って皐月賞に挑んだ馬は、最近3年で2頭が優勝と好相性というデータもあります。

②得意の舞台・中山でGⅠ勝利なるか アスクビクターモア
皐月賞の舞台、中山競馬場の実績が3戦3勝のアスクビクターモアです。
前走の弥生賞ディープインパクト記念では、GⅠ馬のドウデュースに勝って、重賞初勝利となりました。

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<アスクビクターモア>

美浦トレーニングセンターの取材でもアスクビクターモアの姿を見ることが出来ました。
「心肺機能がもともと高くて、 フットワークの良さや精神的な成長も想像以上。皐月賞を獲ることを第一目標に全ての調整をしてきた」と、田村調教師も気合十分です。

③馬名で注目!実力も備えるオニャンコポン
そして、今回私が注目したのが、その馬名でも注目が集まる「オニャンコポン」。
オニャンコポンを手がける小島茂之(こじま・しげゆき)調教師に取材しました。

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<小島茂之 調教師>

「最初は正直、“どうしてふざけちゃったんだろう”と思った。だけど登録した後、ガーナ共和国などで使われる言葉で「偉大な者」という意味を知ったんだよね。それに見合うような成績を残せるようにしてあげたいと思ったよ」と小島調教師は語ってくれました。

“ポン”という名前には、「スタートで良い飛び出しをして欲しい」という意味もあり、その言葉通りオニャンコポンは非常にスタートがいい馬です。
「前半で良い位置を取って、そこから力を貯めて最後良い脚が使える。そういう馬にはなかなか巡り合わない。センスあるんだよね」と小島さんは話します。

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<厩舎のオニャンコポンと小島調教師>

去年12月のGⅠホープフルステークスで11着と悔しい思いをした中で、
1月GⅢ京成杯では強い精神力で1着に返り咲いたオニャンコポン。

馬名はもちろん、スタートの良さとハートの強靭さにも注目です。

 

NHKの競馬中継では、
パドックからレースまで、たっぷりとお伝えします。

「皐月賞」の放送は、総合テレビ 4月17日(日)午後3時です。
NHKプラスでもご覧頂けます。

解説は、GⅠ通算14勝の元調教師、松田国英さんです。
今年の皐月賞は、例年以上に幅広いキャリアの3歳馬がぶつかり合います。
ぜひ、その戦いをご覧ください。