佐賀 唐津 高校生を応援! 自立心自主性育む WeD 吉森旭希さん
- 2024年04月23日
今回お話を伺ったのは、地元の高校生の挑戦を応援しようと活動する唐津市のNPO法人WeD(ウェド)の代表理事吉森旭希(よしもり・あき)さん。
どんな思いで子どもたちの活動を見守っているのか聞きました。
NPO法人を立ち上げてから3年、パナソニック教育財団の「子どもたちの心を育む活動」で、全国198件の応募の中から優秀賞を受賞されました。お気持ちは?
大変光栄です。他者から評価していただくというのは初めてでしたので、活動の励みになっています。
団体名に込めたのは "私たちはやる"という思い
WeDという団体の名前にはどんな思いが込められていますか?
英語の「We Do」から。私たちが唐津市の高校生のために何かやりたい!やっていこう!という思いを込めました。
学校では体験できない 地域や社会との"つながり"を求めて
WeDに参加する高校生たちは、SUP=サップでインストラクターの指導のもと無人島に渡って清掃活動を行ったり、地元唐津で行われた音楽フェスでたくさんのボランティアを取りまとめる役割を担ったりしているほか、古民家カフェの運営にも携わっています。
※SUP…スタンドアップパドルボード(ボードに立ったり座ったりしながらオールで漕ぐマリンスポーツ)
キーワードは「学校では体験できない社会や企業とのつながり」だそうですが、子どもの主体性にどのように結びつくんですか?
学校の中ではなかなか体験できない経験できないことを、社会の皆さん地域の皆さんと一緒に活動することで、主体性を持って自ら考え行動していくということを実践しています。
SUPで無人島に渡って清掃活動をするなんて、唐津ならではだと思いました。
実は唐津でもなかなか体験できないことだとは思うんですけれども、唐津の海の美しさや唐津の環境保全というところに目を向けて、高校生たちがイベントを組み立ててくれています。
1年の集大成!「からつ まちなか文化祭」
2024年3月17日(日)、WeDの活動の1年の集大成となる「からつまちなか文化祭」が行われました。運営に携わるのは生徒7人。参加したおよそ50人のボランティアの学生をてきぱきと取り仕切りました。
この時のメンバーの様子はどうでしたか?
運営メンバーは7人なんですが、それぞれがイベントの中で、トラブルがあったり対応が必要な時にも、私たち大人の手を借りずに自ら考えて主体的に動いてくれている様子が伝わってきました。
あいにくの雨にも関らずたくさんの人が訪れてすごく賑わっていましたし、生徒の皆さんが主体的に動いているのがとても印象的でした。
お店の方との連携も良かったですよね。
地域の商店街の方々と、ご協力いただいた企業の皆さんとのつながり、連携というのはものすごく良いものだなと思って見ていました。
WeDにはたくさんの大人も参加していますが、つい口を出したくならないですか?
そうなんです!
そこを我慢しないといけないのが私の勉強のしどころだなと思っています。
「まちなか文化祭」は唐津駅前の呉服町商店街で行われていて、今回で3回目です。
地元の方たちはどう見ているのでしょうか。
地元商店街の方は「商店街のお店を知ってもらって若い子たちなりに発信してもらえて、それが商店街の賑わい作りにつながっていくのでは」と話されています。
地域の受け止め方はどうですか?
本当にありがたいです。高校生たちがやっぱり地元に足を運んで欲しいという思いを持ってやっていますので、地元の方に評価していただいて、とっても嬉しいなあと思っています。
本業は学校の先生 なぜこの活動を?
代表理事を務める吉森さんは、本業は学校の先生。なぜ、こうした活動を?
私が養護教諭として保健室で子どもたちと関わっていく中で、色んな思いを持った生徒と一緒に過ごすことが多かったんです。その子どもたちと一緒にボランティアの顧問をしていた時、地域の中で活動する際に子どもたちが学校では見せない笑顔や輝きを見せてくれていました。そうやって地域の中に子どもたちの輝ける場所があってもいいんじゃないか、居場所があってもいいんじゃないかということで、この活動を始めました。
活動している高校生はどう思っている?
参加している生徒に話を聞いてみました。
高校生のお話を聞いてどうですか?
とってもうれしいです。私達 WeDのビジョンやミッションが生徒たちが話してくれた中にありましたので、この活動をやって良かったなと幸せな気持ちです。
WeDの活動は今年で4年目です。今後はどういった活動にしていきたいですか?
それぞれの高校生がやっている活動を後輩にどんどん引き継いでいってもらいたいですし、それぞれが感じた、広げたい選択肢や自分達の夢を見つけてそれを実現していってほしいなと思います。
「からつ まちなか文化祭」を取材させていただいた時、WeDの活動に参加している高校生の姿を見ていると、すごくしっかりしていて大人だなあという印象を受けました。みんなそれぞれの意思を持って活動と向き合っていて、ちょっとしたトラブルや想定外の事が起きた時も自分たちで即座に判断してそれを仲間と共有しながら課題解決に向けて動いていました。
吉森旭希さんもあちらこちらへ忙しく動き回っていましたが、基本的には生徒に任せていて手助けする場面はほとんど見られませんでした。生徒達の自主性や自立心を信じていると、自分たちで考えて解決策を見つけられるようになるんだなと思いました。WeDには現在、唐津市内の5つの高校から33人の生徒が参加しています。他の高校の友達ができるのも楽しみの1つとのことでした。
将来がすごく楽しみです!