甲子園で躍動!佐賀 鳥栖工業 始業式で野球部にインタビュー
- 2023年09月05日
2023年8月、夏の全国高校野球に佐賀代表として出場した鳥栖工業高校。佐賀県勢として、甲子園10年ぶりの勝利を挙げた選手たちが、2学期の始業式に合わせて大会を報告。
始業式のあと、野球部のメンバーに独占インタビューしました。
【始業式で甲子園出場を報告】
甲子園で開かれた夏の全国高校野球。鳥栖工業は初戦で富山商業に勝ち、佐賀代表としては10年ぶりの初戦突破を果たしました。高校では、9月1日、2学期の始業式に合わせて、全国大会に出場した各部の選手たちによる報告会が開かれ、野球部の選手たちも登壇しました。
(髙陽章主将)「1回戦・2回戦とも、皆さんの応援のおかげでいい試合をすることができ、県勢10年ぶりの1勝を挙げることができました。1年生も秋の大会に向けて頑張っているので、応援よろしくお願いします。」
【甲子園で躍動!野球部のメンバーに聞く】
甲子園で新たな歴史を刻んだ鳥栖工業。始業式のあと、野球部のメンバーに聞きました。
髙陽章(たかひ・あきら)主将は、1回戦の富山商業戦、延長11回に同点の犠牲フライを打ちました。チームは、続く12回にサヨナラで勝利、タイブレークの接戦をものにしました。
甲子園の一番の思い出は?
富山商業との延長の試合が一番印象に残っています。小学校で一緒にプレーした人や地元のみんなから“おめでとう”などの連絡がたくさん来ました。
(優勝経験のある日大三高のような)どんな強いチームに対しても、県立高校でも、同じ土俵でやれることを気づかせてくれました。
後輩たちに伝えていきたいことは?
注目されるのは当たり前なので、自分たちで盛り上げていって、秋も春も勝ち進んで、夏にまた甲子園に行けるように頑張って欲しいです!
【兄弟バッテリーで話題に 松延晶音選手と響投手】
兄弟でバッテリーを組んだ、兄の松延晶音(まつのぶ・あぎと)選手と、弟の響(ひびき)投手。
松延晶音選手は、甲子園に出発する日、チームの野球日誌に「1試合でも多く試合が出来るように頑張ります」と記していました。
(兄・晶音選手に)甲子園で特に思い出に残っていることは?
1勝できたことと、弟とバッテリーを組めたこと。弟のピッチングは最高でした!
(弟・響投手に)甲子園でのベストピッチは?
ボールになってしまったんですが、日大三高戦の7回、自己最速タイの144キロをアウトローに投げたボールです。
その直前にバッテリーで話し込んでいたと思うけど?
悔いは残さないように、この試合を楽しんでいこうと思って声を掛けました。
兄から『最後になるかもしれないから思い切って腕を振ってこい』と言われて、自分も腕を振って投げました。
甲子園を終えた今、お互いにことばを掛けるとすれば?
(弟に向けて)もう一段レベルアップして、あの場所(甲子園)に行ってください!
(兄に向けて)もう一度、あの場所に行けるように頑張ります!
【選手たちを鼓舞し続けた女子マネージャー】
そして、記録員としてベンチ入りした、マネージャーの緒方美月(おがた・みづき)さん。ベンチから選手たちを鼓舞し続ける姿が注目されました。
大きな声を出せるようになったのは、去年の秋からだったといいます。
今までは先輩たちがいたので強くは言えなかったんですが、自分たちの代になって、先頭で引っ張らないといけないので、ベンチから率先して声を掛けました。
ランナーが出たときにアウトカウントを伝えたり、投手のけん制のしぐさだったり、野球の基本的な部分を伝えていました。
甲子園で敗れたあと、みずからグラウンドの土をかき集めていた緒方さん。この日の取材に合わせて、甲子園の土を持ってきてくれました。
甲子園の土を集めたのは、とっさの行動だったんですか?
今まで、何で女性記録員の人が土を持って帰らないのか不思議で、自分が時代を変えるしかないと思って(笑)。もちろん、みんなともっと野球がしたかったし、いろいろな感情がまざって・・・ここまで来られてよかったという思いと悔しい思いとがありました。
ここまで反響があるとは思いましたか?
自分でもここまでとは思っていませんでした。先日プロ野球の試合を見に行ったときに、少年野球のコーチから声を掛けられるくらい有名になっていて。大学野球でも声を掛けられて、野球界では結構有名になったかなと思いますね(笑)。
最後に、2学期からの目標は?
2学期以降は、就職試験に向けて勉強を頑張りたいです。内定をもらったら、野球部にもちょいちょい顔を出していきたい。
なかなか野球離れできないですが、野球がないと寂しいので社会人野球でも大学野球でも高校野球でも、たくさん見にいきたいと思っています。
【取材後記】
甲子園期間中、監督と選手たちがやりとりした野球日誌も見せていただきました。8月6日、開会式の日の担当は、背番号13の松本十和(まつもと・とわ)選手。
(野球日誌より)「きょう、開会式本番で人生で初めてあれだけの人の前で行進した。外野の方から球場に入った瞬間、人の多さに驚いた。これから先、あのような数の人の前に立ったり、注目されたりするようなことは少ないと思うので、本当にとても良い経験が出来たし、一生の思い出になった。」 「今持っている力すべてを9日の試合(富山商業戦)に出し切れるように、あと少し練習していきたい。」
その富山商業との試合。私自身、佐賀大会初戦から見てきた鳥栖工業の選手たちが、甲子園の舞台で、あれだけの素晴らしい試合を見せてくれたことに、こみ上げるものがありました。
これからは、進学や就職という次の目標に向けた日々が始まりますが、甲子園での経験は、間違いなくこの先の人生の支えになるはずです。
野球部のみなさん、たくさんの感動をありがとうございました!
(池野健アナウンサー)