罹災証明書 どうやって入手?申請は?大雨 台風 被災に備える
- 2023年08月23日
被災した際、さまざまな支援を受けるのに活用される「罹災証明書」。実際にどうやって手に入れるのか、どんな場面で役に立つのかは、意外と知られていません。申請や活用のポイントをまとめました。
罹災証明書とは
罹災証明書(りさいしょうめいしょ)は、住宅などの被害の程度を証明する書類です。行政・民間を問わず、さまざまな支援を受ける際に役に立ちます。
【罹災証明書が必要 または あると手続きがスムーズになる主な支援例】
■被災者生活再建支援金・・・住宅が大きな被害を受けた世帯に支給される支援金。
■応急修理(補助)制度・・・住宅の屋根や床などを修理する費用の一部を自治体が負担。
■被災ローン減免制度・・・住宅などのローンが、一定条件のもと、減額・免除になる制度。
■公共料金などの減免・・・日頃支払いをしている各種料金が減額・免除の場合も。
■災害弔慰金・・・遺族に支払われる見舞金。
申請は自治体の窓口で
お住まいの市町村の窓口で罹災証明書を発行したい旨を伝え、簡単な書類を一枚書くだけで申請できます。手続き自体は簡単ですが、申請は自分で申し出る必要があります。住宅などが被害に遭うと片付けなどで大変ですが、忘れずに申請するようにしてください。
写真を見せてスムーズに申請
スマホなどで被害状況の写真を撮っておくと、スムーズに罹災証明書が発行される場合があります。被災した住宅を片付ける前に写真を撮っておくと安心です。一方で「絶対に写真がないと申請できない」というわけではありません。危ない場所に戻って写真を撮るのは避けてください。
撮影のポイントを、自宅が浸水したという想定で紹介します。
① 浸水など被災の全体像がわかるよう、自宅の外から4方向(東西南北)で撮影する。
② 浸水の深さなど被害の程度がわかるよう、比較対象(体や物差し)を入れて撮影する。
③ 家の中の被害だけでなく、屋外設備の被害状況も撮影する。
申請したあとは、自治体の職員が現地に赴き被災状況を調査するなどしたうえで罹災証明書が発行されます。被災の程度によって受けられる支援の内容が変わってきますので、罹災証明書の内容に異論がある場合は、自治体に2次調査や再調査を依頼してください。
「罹災証明書は“生活再建の第一歩”」
被災地支援や災害復興に詳しい岡本正(おかもと・ただし)弁護士は、罹災証明書を生活再建の起点として活用してほしいと呼びかけています。
罹災証明書は生活再建の第一歩となる、本当に非常に大事な書面のひとつです。行政の支援金や義援金などの支払いにも活用されるので、「まず罹災証明書を入手しよう」ということを頭に入れておいてほしいと思います。
実際に災害が起きた時、自治体が罹災証明書の申請の受付を始めるまで少し時間が空くことも多くなっています。ただ、岡本さんは「いざという時に備えて、平時から申請方法や活用の仕方を知っておくと、必要な支援を得るために動き出しやすくなる」としています。
シリーズ「被災に備える豆知識」は短い動画でもご覧いただけます。ぜひ参考にしてください。
「水害から命と暮らしを守る」https://www.nhk.or.jp/saga/suigai/