銀行カード 保険証 紛失…でも大丈夫!大雨 台風 被災に備える
- 2023年08月24日
災害時には貴重品を紛失してしまうこともあります。ただ、銀行のカード類や保険証をなくしてしまっても、多くの場合、本人確認ができれば、預貯金を引き出したり医療サービスを受けられたりします。
「銀行のカードや通帳」を紛失してしまったら
銀行の通帳やカード、届け出の印鑑などをなくしてしまっても、金融機関の窓口などで本人であることが確認できれば、預貯金の引き出しの手続きができます。
実際に起きた過去の事例では、例えば、令和元年佐賀豪雨の際は、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)で、それもない場合は名前や住所などを確認することで、預貯金を引き出すことができました。
そのほか、通帳やカードは無料で再発行することができたり、汚れた紙幣や破損した硬貨も交換してもらえたりする場合があります。大規模な災害が起きると各金融機関はさまざまな支援措置をホームページや窓口で公開します。 通帳やカードなどの紛失に限らず、必要な支援措置があるかどうかぜひ確認してください。
「保険証」を紛失してしまったら
原則として、医療・福祉サービスを受ける際には保険証の提示が必要で、提示できない場合は、かかった費用を全額負担することになります。
災害で保険証を紛失してしまった時も、多くの場合、保険診療(自己負担分のみでの治療)を受けられるようになります。医療機関などの窓口で、名前、生年月日、電話番号、保険の加入状況といった、必要な情報を伝えてください。かかりつけの医療機関では、さらにスムーズに確認ができる場合があります。保険証をなくしたり自宅に残して避難したりしている時も、ためらわずに医療機関を利用してください。
さらに、災害救助法が適用されるような大規模な災害の場合、医療費が減額されたり、免除されたりする場合もあります。減免の対象は、住宅の全半壊や、生計を立てる人が重いケガを負った世帯など、一定の条件があります。詳しいことは、厚生労働省のホームページやかかりつけの医療機関などで確認してください。
「災害時も安心して利用を」
被災地支援や災害復興に詳しい、岡本正(おかもと・ただし)弁護士は、通帳・カードや保険証などをなくしてしまうと不安に感じて必要なサービスであっても利用を控える人がいるとして、そのような場合でも安心して利用してほしいと話しています。
迷惑をかけてしまうんじゃないか、お金がかかってしまうんじゃないかなど不安は多いかと思いますが、必ず相談に乗ってもらえますから、ぜひ安心して窓口に行っていただきたいです。また、被災した家に貴重品を取りに帰ってしまう人がいますが、命より大切なものはありません。通帳や保険証をなくしてしまっても大丈夫ということをメッセージとして伝えたいです。
銀行のカードや保険証を紛失してしまっても、基本的に「窓口で相談すれば大丈夫」。単純なことですが、覚えておくと役に立つことがあるかもしれません。家族や知人で困っている人がいたら、ぜひ伝えてください。
シリーズ「被災に備える豆知識」は短い動画でもご覧いただけます。ぜひ参考にしてください。
「水害から命と暮らしを守る」https://www.nhk.or.jp/saga/suigai/