2018年8月24日

内閣官房参与 荒井広幸さん

酸いも甘いも詰まった人生の「ラーメン」

2018年8月24日

東京・新宿区四谷の一角にたたずむ、ラーメン店。

やってきたのは、内閣官房参与の荒井広幸さんです。荒井さん、自民党で参議院議員などを務めていました。


「郵政民営化」に反対して党から除名処分を受け、その後、新党の代表などを務めましたが、2016年の参議院選挙で落選し、政界から引退しました。
「率いていた政党が1議席も確保できなかったから、責任の取り方として政治家をやめるしかなかった。でも政治家として脂がのっていると感じている時期だっただけに、ものすごく未練がありました」

席が7つのこぢんまりしたこのラーメン店には、落選後、近くに個人事務所を構えてから、よく訪れるようになったといいます。75歳になる店主は「いらっしゃいませー!」と声を張り上げることもなく、黙々とラーメンを作ります。静かな店内には、高校野球のラジオ中継だけが流れていました。


「この静かな、穏やかな雰囲気が好きなんです。ゆっくりといろいろ考えられて。いつも食べながら自分の仕事のこととか考えていますが、こういうゆっくり考えを整理する時間が貴重です」

いつも頼むのは、『ラーメン』650円。

しょうゆベースのスープに、チャーシュー2枚、のりとメンマ。昔ながらのシンプルなラーメンです。

「このスープが好きなんですよ。ちょっと酸味があって。やっぱり人生、『酸いも甘いも』いろいろあるでしょ。私もいろいろあったけど、人生を振り返られるよね。私の人生は酸っぱいことばかりで酸味をたくさん使っちゃったから、きっとここで補給してるんです」

大学生の時、政治家の身の回りの世話をする、いわゆる「書生」としてスタートしてから、一貫して政治に関わり続けた荒井さんも、もう還暦。去年、自民党への復党が認められ、政権から請われて内閣官房参与に就任しました。今後、地域活性化や共生社会の実現に向けて力を尽くしたいと語ります。

人生の曲折を経て、いま、しみじみと味わうラーメン。
ごちそうさまでした!