2020年3月27日

文部科学副大臣

亀岡偉民さんの「いつもそばには、あのトンカツが」

2020年3月27日

こちらは文部科学省の副大臣室。
ランチの合間に省内報の取材を受けているのは副大臣を務める亀岡偉民さん(64)です。

目の前に置かれた弁当には、トンカツに大きなエビフライが2尾と、俵型のごはんが詰まっています。ボリュームたっぷりで、およそ1500円。

割り箸でスライスレモンを器用にねじって、ソースもかけたところで…

トンカツをパクリ、「うまいね」

この弁当に入っているトンカツは、亀岡さんが当時、働いていた都内の会社の目の前にあったトンカツ屋さんのもので、20代のころからずっと食べてきた好物なんだそうです。

あの江川卓さんとバッテリーを組んでいたこともある高校球児だった亀岡さん。
社会人になってからも野球を続けていたというスポーツマンの亀岡さんにとって、このボリュームは魅力的だったようです。
「肉も軟らかいし、何より腹いっぱいになる。気がつくと食べに行ってるんだよな」

31歳で会社を辞めて、先代となる亀岡高夫衆議院議員のもとで、秘書としての生活をスタートさせます。

秘書時代も2週間に1度は、このトンカツを食べて、パワーをもらっていたそうです。

そうした中で、先代が病に倒れます。
意識がもうろうとする中でも、「国会に行かなければ。日本は教育だ」と話していた姿に、感銘を受けたといいます。

「そばで見ていて、本当は、政治家なんて大変そうだし、やりたくない仕事だなと思っていた。でも、これだけ国のことを思う人の政治をなくしちゃいけない、引き継いでいかなければと思った」

しかし、先代の選挙区は福島県。栃木県出身の亀岡さんにとって、現実はそう甘くはありませんでした。
「おやじが亡くなって、いわゆる泡まつ候補からのスタート。それでも亀岡の地元から出ないと意味がないって思ったんだ」
選挙に向けて関係者にあいさつ回りをするため、上京した際には、必ず、このトンカツを食べていたといいます。
亀岡さんは、4度の落選を経験し、平成17年に初当選。

その6年後、東日本大震災が発生しました。
発災の翌日には被災地に入り、直後の混乱を目のあたりにしたといいます。
「港を見たり、自治体の職員と被害の大きかったところを回って、何が必要なのかを聞いて回った。捜索の重機も足りないし、現場は本当にパニックだった」

当時、亀岡さんは5度目の落選中でしたが、地元の人たちの声を聞き続けました。
「現職の国会議員じゃないことをあれほど悔やんだ日々はない。とにかく必死だった」

東日本大震災の発生から、ことしで9年です。
「復興の格差は顕著になっている。子どもたちのケアのための教員の加配など、これからも支援策を実現していく。日本の礎をつくるのは教育だから」

最後に、このトンカツへの思いをもう一度、聞いてみました。
「何で食べ続けているのかって?もう分からなくなるぐらい長い付き合いで、思い返すと、これまでに色んなこともあったけど、ふとした時に、食べたくなって、それがずっと続いてきた」

いつも亀岡さんのそばにあった、あのトンカツのランチ。

ごちそうさまでした!