2019年10月25日

天皇・皇后両陛下と参列の皆様

饗宴の儀

2019年10月25日

今回は特別編!

天皇陛下が皇后さまとともに祝宴に臨んで即位を披露し祝福を受けられる儀式、「饗宴(きょうえん)の儀」が22日、皇居 宮殿で行われました。

「即位礼正殿(そくいれいせいでん)の儀」のあと、いったんお住まいの赤坂御所に戻られていた天皇皇后両陛下。「饗宴の儀」に臨むため、午後7時前に再びお住まいを出られ、半蔵門から皇居へ。

「饗宴の儀」は4回行われることになっていて、1回目の22日は、国内から7人、海外から164の国や機関などの248人が参列。「竹の間」では、両陛下がおよそ1時間にわたって出席者から順番にあいさつを受けられました。

歓迎や懇談の場が設けられたあと、出席者は皇族方とともに食事会場の「豊明殿(ほうめいでん)」に。こちらには、10のテーブルが配置され、およそ370の席が用意されました。

各国の元首らが座るメインテーブルは一番奥に設けられ、中央に天皇皇后両陛下が並んで座られます。ほかのテーブルの出席者からも両陛下の姿が見やすいようお二人の正面には座席を設けないという配慮も。

午後9時すぎ、両陛下が部屋の奥にあるメインテーブルの中央に着席されて食事が始まりました。

食事は上皇さまの即位を祝った前回をほぼ踏襲する形で和食が選ばれました。供されたのは9品。

▽「前菜」はかすごたいの姿焼きや蒸したあわび、それにゆり根やくりなどが扇の形をした木の器に盛りつけられました。

▽「酢の物」はスモークサーモン

▽「焼物」はアスパラガスの牛肉巻き

▽「温物」はふかひれやまいたけが入った茶わん蒸し
▽「揚物」はかに、きす、若鶏の三色揚げ

▽「加薬飯」はたけのこやしいたけが入ったたいのそぼろごはん

▽「吸物」には伊勢えびのくず打ちやまつたけが入っています。

▽「果物」としてイチゴやマスクメロン、パパイヤ
▽「菓子」として和菓子

世界各国からさまざまな文化的な背景を持つ賓客が訪れることに配慮して、このほかにイスラム教徒向けに戒律に沿って処理された食材を使ったメニューや、菜食主義の人向けに肉や魚に代えて高野豆腐や湯葉などを使ったメニューも用意されました。

調理を担当したのは大手ホテルグループで、日本料理の伝統や盛りつけの美しさを楽しんでもらえるよう、食材の大きさをミリ単位でそろえるなどの工夫が凝らされているとのこと。

高橋慶太総料理長は「このような歴史的な瞬間に関われたことは本当に名誉なことだと思っています。さまざまな方に満足いただけるよう味付けに創意工夫を重ねたほか、ひと目見てお祝いの料理だとわかる色鮮やかな盛りつけになっています。世界各国の賓客に日本料理の伝統を感じていただきたい」と話していました。

食事のあとは「春秋の間」に場所を移し、食後酒やコーヒーなどが出される中、和やかな歓談が。
そして、両陛下は出席者との別れのあいさつを交わされ、「饗宴の儀」は午後11時20分ごろ終了しました。

ごちそうさまでした。