2018年11月26日

外務省 開発協力総括課長 山本文土さん 国際協力局幹部の皆さん

外務省に「秘密結社」!水曜会ランチ

2018年11月26日

世界中から機密情報が集まる、外務省。

そこには秘密のベールに包まれた組織もあるという。記者としては、何としてでもその実態をつかみたい。

その7階。私はこの日の昼、密かに行われていた会議に潜入した。

何者だろう…何やら密談している様子だ。

よし、あそこにあるパソコンの情報を入手だ!

なヌっ!?「世界征服」ですとっ!?

さらに「秘密結社」とはっ!
そうか、やはりそうだったのか…デスク、ついに奴らの正体をつかみました!

 

…はい終了。

えー、この日集まっていたのは、外務省でODA=政府開発援助など、開発途上国への支援を担当する、「国際協力局」の課長など、30代から40代の中堅幹部8人です。

毎週水曜日、お昼を持ち寄って、ざっくばらんに意見交換しているのだとか。

会議の呼びかけ人は、開発総括課長の山本文土さん(46)。
きょうは、外務省内のカフェで調達したホットサンドとコーヒーのセット(600円)を持参しました。

「『きんぴらごぼうとベーコンのホットサンド』ですよ。週替わりで具が変わるんでよく食べるんです。店員さんとも顔見知りです。ごぼうの歯ごたえがしゃきしゃきして、味は、うん、まろやかでおいしいですね」

持ち寄るランチは、人それぞれ。コンビニで調達したガパオご飯や…

外務省内のそば屋の持ち帰りボックス、

手作り弁当の人もいます。

会議では「ODAに興味のない人たちにどうやって必要性を理解をしてもらうか」という難しいテーマに話が及びました。

「インターネットだと興味がある情報しか見ないから、ODAにまったく興味がない人にどうやってアクセスしてもらうかが難しいよね」

「ODAで他の国を支援することが、日本にとっても利益があることをメッセージとして伝える事が大事だと思う」

「こないだタレントの紗栄子が女性外交官との対話をインスタに上げたらフォロワー数がすごかったんですよ。紗栄子は女性にとって気になる存在だから」

「女性にとって気になる存在って、どういうことか気になるよね」

「うーん。恋愛もそうだし、ほしいものを手に入れている女性かな。行動力とか、自分の力で生きてるって言うか」

おいしいランチも手伝って、自由に意見交換が進みます。実はこの会議から柔軟なアイデアが次々に生まれているんです。

そのひとつがこちら。

シュールなやりとりが動画などで人気の「秘密結社 鷹の爪団」。
世界征服を狙う彼らを、あえて国際協力のODA大使に起用するという「逆転の発想」でした。冒頭の不穏なキーワードの正体はこれだったんですね。

「鷹の爪団」のキャラクターがアフリカでの教育支援などを解説する動画を作成。
「アクセス数は上々です。若い人にも届けばと思いますね」

Tシャツやクリアファイルなどのグッズも作っちゃいました。

さらに、こんな企画も考えました。

お笑いコンビ「ペナルティ」の2人がサッカーの強豪高校の出身であることに目を付け、タイでワッキーさんたちが子どもとサッカーをしながらODAの重要性を広報する動画を作成。
(上と下の画像はいずれも外務省動画チャンネルより)

「こっちはアクセス数は伸び悩んでるんですけどね。もっといろいろ考えないと」

ランチを食べ終わっても、笑い声とともにワイワイと議論は続きます。

お堅いイメージの外交官たちですが、この”秘密結社”のメンバーで、次はどんなアイデアが出てくるのか、目が離せません。

ごちそうさまでした!