報公開請求 開示前に
伝えられ「反省」野田総務相

野田総務大臣は、みずからの秘書が、金融庁からの説明の場に、調査対象だった会社の関係者を同席させていたことをめぐり、一部の新聞社が金融庁に申請した情報公開請求の内容について、金融庁側から開示前に伝えられていたことを明らかにしました。

野田総務大臣は、みずからの秘書がことし1月、金融庁による調査対象となっていた仮想通貨取り引きを企画する会社の関係者を同席させ、金融庁から取り引きの規制などに関する説明を受けたことを認めたうえで、会社とは利害関係がなく、調査への圧力にはあたらないという認識を示しています。

これに関連して、野田大臣は閣議のあと記者団に対し、一部の新聞社が金融庁に申請した情報公開請求の内容について、金融庁側から開示前に伝えられていたことを明らかにしました。

そのうえで、野田大臣は「開示請求者に関する情報を伝えることは、開示請求の萎縮や情報公開制度の信頼低下につながるおそれがあり、好ましくないと言わざるをえない。金融庁には注意喚起すべきだったし、記者との懇親会の際に問題意識を持つことなく話題にしたことは慎重さを欠いていたと反省している」と述べました。

金融庁「深く反省」

金融庁によりますと、野田総務大臣に開示請求者に関する情報を伝えたのは情報公開を担当していた当時の総務企画局の職員で、調査に対し、「閣僚のひとりであり、開示請求についていずれ報道されるかもしれないので、情報共有しておくほうがよいと考えた」と話しているということです。

この職員は、開示請求を行った人の名前は伏せたものの、新聞社による開示請求であることを総務省の大臣官房の担当者に伝えたとしています。

金融庁は「情報公開法の趣旨に照らすと好ましくない対応であり、深く反省している」とコメントしています。

官房長官「あってはならないこと」

菅官房長官は午後の記者会見で「今回のことはあってはならないことだったと思う」と述べました。

また、菅官房長官は、記者団が「情報開示請求の内容が関係者に伝えられることは、他省庁も含めて今までになかったか」と質問したのに対し、「そうしたことは承知していない。ないということだ」と述べました。