自民 会期延長応じない方針
野党 内閣不信任案も辞さず

国会 会期延長めぐる与野党の攻防 本格化の見通し

会期末を来週に控え、国会では、野党側が新型コロナウイルス対策の議論を続ける必要があるとして、3か月の会期延長を求め、内閣不信任決議案の提出も辞さない構えを示しています。

これに対し、与党側は、野党側の要求には応じない方針で週明けから与野党の攻防が本格化する見通しです。

来週16日の会期末を前に、国会では、立憲民主党など野党4党が、新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中で、対策の議論を続ける必要があるとして、3か月の会期延長を求めることを決めました。

立憲民主党の安住国会対策委員長は、11日、自民党の森山国会対策委員長にこうした決定を伝えた上うえで、菅総理大臣がイギリス訪問から帰国する来週14日に回答するよう要求することにしています。

野党側は、要求が受け入れられない場合には、内閣不信任決議案の提出も辞さない構えを示しています。

これに対し与党側は、政府に新型コロナ対策に専念してもらうべきだなどとして野党側が求める3か月の延長には応じない方針で、菅総理大臣の帰国を待って、最終的に判断することにしています。

与党からは、不信任決議案が提出されれば粛々と否決するだけだという意見に加え、直ちに衆議院を解散すべきだといった声も依然出ていて、週明けから与野党の攻防が本格化する見通しです。

一方、11日の参議院本会議では、憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案が賛成多数で可決され、提出からおよそ3年を経て、成立する運びです。

野党4党首 3か月の会期延長求める

国会の会期末を来週に控え、立憲民主党など野党4党の党首が会談し、新型コロナウイルス対策の議論を続けるべきだとして、3か月の会期延長を求める方針で一致しました。与党側が応じなければ新たな対抗措置を検討することで合意し、内閣不信任決議案の扱いも協議される見通しです。

会談には、立憲民主党の枝野代表、共産党の志位委員長、国民民主党の玉木代表、それに社民党の福島党首が出席し、6月16日に会期末を迎える国会の対応を協議しました。

この中で、野党4党の党首は、9日の党首討論について、感染対策などの強化に向けた今年度の補正予算案の編成や、国会の延長の必要性について菅総理大臣から納得する回答がなかったという認識で一致しました。

そのうえで、新型コロナウイルスのいまの感染状況を踏まえれば、国会を閉じることなく対策の議論を続けるべきだとして与党側に3か月の会期延長を求める方針で一致し、菅総理大臣がイギリス訪問から帰国する来週14日に回答を求めることを決めました。

そして、与党側が会期延長に応じなければ、新たな対抗措置を検討することで合意しました。

これに先立って開かれた野党3党の国会対策委員長らの会談では、内閣不信任決議案の提出も重要な選択肢の1つとして検討していくことで合意していて、決議案の扱いも協議される見通しです。

立民 枝野代表 「各党党首の強い意思」

立憲民主党の枝野代表は、記者団に対し「国会の会期の大幅延長などの求めに対する菅総理大臣の答えが、われわれの要求を満たさない時には、新たな対抗措置を考えたい。これは野党各党党首の強い意思であるということで、与党に申し入れる」と述べました。

共産 志位委員長 「国会閉じること許されず」

共産党の志位委員長は、記者会見で「新型コロナウイルス対策や、東京オリンピック・パラリンピックへの対応、それに今年度の補正予算案の編成を行うためには、いま国会を閉じることは許されず、3か月の国会の会期延長を求めたい。それについての回答を待って、その後の対応を相談していきたい」と述べました。

国民 玉木代表 「対抗措置は不信任決議案の提出」

国民民主党の玉木代表は、記者団に対して「国会の会期延長が受け入れられなかった場合の新たな対抗措置とは、私は内閣不信任決議案の提出だと思っている。『政治空白』よりも、やるべきことがなされない『政策空白』の方が問題で、ちゅうちょなく提出すべきだ。提出によってもし衆議院が解散されれば、経済財政政策の大きな転換を野党全体で訴えて戦うべきだ」と述べました。

社民 福島党首「延長のまない場合 不信任決議案出すべき」

社民党の福島党首は、NHKの取材に対し「これ以上コロナ禍を拡大させないため、野党4党で国会の会期延長を要求することで意思統一できたことはよかった。与党側が延長をのまない場合には、4党で改めて協議することになると思う。社民党の立場は明快で、内閣不信任決議案は出すべきだ」と述べました。

自民 首相帰国後の判断を確認

立憲民主党など野党側が国会の会期延長を求める中、自民党の二階幹事長や森山国会対策委員長らが会談し、来週14日に菅総理大臣がイギリス訪問から帰国したあと、会期の扱いを判断することを確認しました。

自民党の二階幹事長、森山国会対策委員長、林幹事長代理は10日午後、党本部で会談し、立憲民主党など野党側が来週16日に会期末を迎える国会の延長を求める中、今後の対応を協議しました。

この中では、法案の審議状況などを踏まえれば、会期の延長は必要ないという意見が出されました。

そして、菅総理大臣がイギリスで開かれるG7サミット=主要7か国首脳会議から来週14日に帰国したあと、最終的に会期の扱いを判断する方針を確認しました。

会談では、野党側が内閣不信任決議案を提出した場合の対応についても、意見交換したものとみられます。

一方、出席者によりますと、会談には菅総理大臣も短時間同席し、二階氏らはG7サミットの成功に向けて激励したということです。