原発不正入室問題 規制庁
「当初重要事案と捉えず」

東京電力 柏崎刈羽原子力発電所の中央制御室に社員が、ほかの人のIDカードを使って入った問題で、原子力規制委員会への報告が4か月後と遅れたことについて事務局の原子力規制庁の担当者は参議院予算委員会で「当初は重要な事案と捉えていなかった」などとして情報共有の在り方を見直す方針を示しました。

この問題は去年9月、新潟県にある柏崎刈羽原発で、IDカードを紛失した東京電力の社員がほかの社員のIDカードを勝手に持ち出し、中央制御室に不正に入室したものです。

その後、東京電力から報告を受けた原子力規制庁が原子力規制委員会に報告したのは4か月後のことし1月だったことがわかり、地元などから批判が出ています。

これについて参議院予算委員会で規制庁の山田知穂総括審議官は「当初は核物質防護上の重要な事案として捉えていなかったためで、反省している」などと述べ、情報共有の在り方を見直す方針を示しました。

また、規制委員会の更田豊志委員長は、不正入室があった3日後に柏崎刈羽原発の管理の手順をまとめた保安規定が了承され、その後認可されたことについて「議論の中身には影響しなかったと思うが、認可するタイミングには影響があったかもしれない」と述べました。

更田委員長は会見で現時点で保安規定の審査のやり直しは考えていないとしたうえで、「仮にすぐ報告されていれば、どのような不正が起きたのか、検査することを検討したのではないか」などと述べ、規制庁に対し判断に迷ったとしてもすみやかに報告するよう指示したことを明らかにしました。