「村民の生命守る覚悟を」
臨界事故21年で東海村長

茨城県東海村にある核燃料加工会社「ジェー・シー・オー」で起きた臨界事故から、30日で21年です。
村役場では山田村長が職員に訓示し、「安全を追求し、村民の生命と財産を守る覚悟を持ってほしい」と呼びかけました。

平成11年9月30日、茨城県東海村にある核燃料加工会社「ジェー・シー・オー」で核分裂反応が連続して起きる「臨界」が発生して、作業員2人が死亡したほか、周辺の住民など600人以上が被ばくしました。

この事故から30日で21年になるのに合わせて、村役場では30日朝、幹部職員およそ40人が集まり、犠牲者へ1分間の黙とうをささげました。

このあと山田修村長が訓示を行い、「事故は大きな衝撃で、多くの教訓を与えた」と振り返ったうえで、「原子力事業所では事故が絶えず、大変残念だ。原子力に携わるすべての人々が安全を何よりも優先することを追求してほしい」と述べました。

さらに職員に対し、「原子力安全は事業者だけの問題ではなく、職員も村民の生命と財産を守るという覚悟と決意を持ってもらいたい」と呼びかけました。

村によりますと、事故当時の職員は全体の3割に減り、経験の継承が課題となっていて、すべての職員に事故を考えてもらうため、30日の訓示の動画を共有するということです。

訓示のあと山田村長は、「事故の経験者に頼ることはできず、職員には災害時にみずから行動できるよう意識してもらいたい」と話していました。