ージス 自民に検証結果
報告し陳謝 河野防衛相

新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の山口・秋田両県への配備断念をめぐり、河野防衛大臣は自民党の会合で、改修の規模を正確に見積もれないまま地元に説明していたとする検証結果を報告し、「誠実さに欠ける対応になってしまった」と陳謝しました。

「イージス・アショア」の配備をめぐり、政府は迎撃ミサイルを発射する際に使う「ブースター」と呼ばれる装置を安全に落下させるためにはミサイルそのものの改修が必要だとして、ことし6月、山口・秋田両県への配備を断念しました。

4日開かれた自民党の安全保障関係の会合で河野防衛大臣は、経緯の検証結果を報告し「地元に対して誠実さに欠ける対応になってしまい、大変申し訳なく思う。きのう、安倍総理大臣に報告した際に、厳しいお叱りをいただいた」と述べて陳謝し、組織内の情報共有を徹底するなどして、再発防止に努める考えを強調しました。

防衛省がまとめた検証結果では、おととしの段階ではソフトウエアの改修により「ブースター」の落下位置を限定することは可能だと判断しましたが、施設の具体的な配置などを踏まえてアメリカ側とさらに協議した結果、ことし5月下旬になってミサイルそのものを含む大幅な改修が必要だと判明し、配備を断念したとしています。

そのうえで北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイルの発射などを受けて配備を急いだ結果、慎重さを欠いた対応になったとしています。

その一方でアメリカが「イージス・アショア」を開発しているため、防衛省として落下位置をシミュレーションすることには限界があり、改修の規模を正確に見積もれなかったとしています。

河野防衛相「大臣として責任ある」

河野防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で、「アメリカとやり取りをしているなかで、地元への説明もしていたが、これらは違う部局でやっていた。部局間での情報共有や連絡について、今後、考えないといけない。『悪い情報を早く上に上げろ』ということを、徹底しておくべきで、非常に申し訳なく、大臣としての責任がある」と述べました。