リニア中央新幹線の工事をめぐりJR東海が、予定していた2027年の開業は難しいとの認識を示したことについて赤羽国土交通大臣は、記者会見でJR東海から報告はなく、現時点で開業予定に変更はないという認識を改めて示しました。

リニア中央新幹線は、JR東海が2027年の開業を目指していますが、静岡県内のトンネル工事は、水資源への影響を懸念する県が着工を認めていません。

静岡県は3日、JR東海が着手を急ぐ準備作業についても作業の開始は認められないと回答し、JR東海は、「準備作業が認められない以上、2027年の開業は難しい」というコメントを発表しました。

これについて赤羽国土交通大臣は、記者会見で「JR東海から、開業が遅れる旨の報告は受けていない。まだ現状では2027年の開業の予定は変わっていないものと承知している」と述べました。

そのうえで赤羽大臣は「沿線自治体をはじめ、早期開業への期待が大きいことから、JR東海と静岡県との間でしっかり協議することが重要だ。リニアの早期実現と、工事に伴う水資源と自然環境への影響の回避と軽減を同時に進めるため国土交通省としても引き続き必要な調整や協力をしていく」と述べ、2027年の開業に向けて、静岡県とJR東海との調整などを行う考えを示しました。