婚ひとり親への所得税
軽減措置に異論出ず

来年度の税制改正で焦点の一つとなっている未婚のひとり親に対する所得税の軽減措置について、自民党税制調査会の小委員会では異論は出ず、今後、公明党と最終的な調整を進めることになりました。

27日開かれた自民党の税制調査会の小委員会では、来年度の税制改正で、児童扶養手当を受けている未婚のひとり親に、子どもの貧困対策の観点から、配偶者と死別したり離婚したりしたひとり親と同額の所得税の軽減措置を新たに講じる案が示されました。

これに対し、出席者からは「伝統的な家族観を踏まえつつも、子どもの視点に立って平等に対応すべきだ」などと賛同する意見が相次ぎ、異論は出なかったということで、今後、公明党と最終的な調整を進めることになりました。

また小委員会では、企業の内部留保を投資に回す環境を整えるための税制上の優遇措置について「企業に出資の目的を明らかにさせ、実効性を高める必要がある」といった指摘が出され、具体的な制度設計に向けて検討を急ぐことにしています。

自民 女性議員の議連「寡婦控除の適用を」

一方、自民党の女性議員で作る議員連盟は、総理大臣官邸で菅官房長官と面会し、未婚のひとり親にも、児童扶養手当を受けているかどうかにかかわらず、配偶者と死別や離婚したひとり親と同じく所得税や住民税が軽減される「寡婦控除」を適用するよう求めました。

このあと、議員連盟の共同代表を務める稲田幹事長代行は「差をつけることなくシングルマザーやシングルファーザーを応援すべきで、児童扶養手当を受けている世帯という制限を付けるべきではない。これは伝統的な家族の在り方などの問題ではない」と述べました。

公明税調 対象限定に懸念の声

公明党の税制調査会の総会では、出席者から、未婚のひとり親に対する所得税の軽減措置について「ことしの議論で結論を出してもらいたい」という意見が出されました。

一方で、児童扶養手当を受けている親を対象とすることについて、「配偶者と死別や離婚したひとり親と所得制限などで差が出てしまう」などと懸念する声が相次ぎました。