閣不信任決議案
衆議院本会議で否決

立憲民主党など野党5党派が提出した、安倍内閣に対する不信任決議案は、25日午後開かれた衆議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会などの反対多数で否決されました。

国会の会期末を26日に控え野党5党派が提出した、安倍内閣に対する不信任決議案は、午後の衆議院本会議で、審議が行われました。

立憲民主党の枝野代表は、およそ1時間にわたって趣旨弁明を行い「安倍内閣が不信任に値する理由は、枚挙にいとまがないが、はじめに指摘しなければならないのは、国民生活に直結する年金と消費税に関する、無責任かつ不誠実極まりない姿勢だ」と述べました。

これに対し、自民党の萩生田幹事長代行は、討論で「安倍内閣と自民党は、あの悪夢のような時代から、日本を取り戻すために、これまで、次の世代に、誇りと希望をもたらす政治を前に進めてきた」と反論しました。

本会議では、このあと記名投票による採決が行われ、内閣不信任決議案は、自民・公明両党と日本維新の会などの反対多数で否決されました。

国会は26日会期末を迎え、閉会後には、参議院選挙が来月4日公示、21日投票の日程で行われる見通しで、各党は事実上の選挙戦に入ることになります。

自民 二階氏「堂々と否決した」

自民党の二階幹事長は、記者団に対し「安倍内閣は、次の世代に誇りと希望をもたらす政治をしっかりと前に進めてきたという自負を持っている。その実績は、国民から一貫して高い支持を得てきたので、与党として不信任決議案を堂々と否決した。参議院選挙に向けて、さらに団結を強固にし全力を尽くしていきたい」と述べました。

一方、衆参同日選挙については「まだ分からない。残された時間がわずかでも、政権を運営する最高責任者がどういう考えで対応するか、まだ確かめていない」と述べました。

公明 斉藤氏「否決されて当然」

公明党の斉藤幹事長は、記者団に対し「立憲民主党の枝野代表の趣旨弁明は、年金不安をあおるような内容で、全く説得力がなかった。安倍内閣は、経済や外交などをきちんと行っており、否決されて当然だ」と述べました。

そのうえで「今の国会を振り返ると、統計問題や金融庁の審議会の報告書の問題など反省すべき点は多々ある。今後は、緊張感を持って、政権運営や参議院選挙に取り組んでいかなければならない」と述べました。

衆参同日選挙については「なくなったと理解している。非常によかった」と述べました。

共産 志位氏「野党が結束 よかった」

共産党の志位委員長は、記者会見で「野党が結束して内閣不信任決議案を提起したことは、よかったと思う。決着は、参議院選挙で勝利し、安倍政権を退場させるという結果を作ることで示したい。参議院選挙では、自民党と公明党とその補完勢力を少数に追い込み、衆議院と参議院で『ねじれ』を作る」と述べました。