守分裂の島根県知事選
新人の丸山氏 初当選

44年ぶりに保守分裂の争いになった島根県知事選挙は、自民党の県議団の半数余りから支援を受けた総務省の元官僚、丸山達也氏(49)が、自民党が推薦した候補らを破って初めての当選を果たしました。

島根県知事選挙の結果です。

▽丸山達也(無所属・新)当選 15万338票
▽大庭誠司(無所属・新)12万276票
▽島田二郎(無所属・新)4万694票
▽山崎泰子(無所属・新)3万3699票

丸山氏は福岡県出身の49歳。平成4年に当時の自治省に入り、平成25年から3年間島根県に出向し、部長などを務めました。

今回の島根県知事選挙は、自民党が、総務省消防庁の元次長、大庭誠司氏(59)を推薦したのに対し、自民党の県議団の半数余りが丸山氏を、自民党の支持団体の県歯科医師連盟は、元安来市長の島田二郎氏(65)をそれぞれ支援し、44年ぶりに保守分裂の構図となりました。

選挙戦で、丸山氏は、県の人口減少対策などに携わった実績を強調し、農業団体や野党からも支援を受けて運動を展開しました。

その結果、自民党支持層から一定の支持を得るとともに、支持政党を持たない無党派層など幅広い層から支持を集め、初めての当選を果たしました。

丸山氏「支援の輪が広がっていった」

丸山氏は「島根県民が長く苦しんできた人口減少という問題に、党派を超えて、オール島根で取り組んでいくという思いに共感してもらい、支援の輪が広がっていったことが勝因だと思う。子育て支援の充実などを通して、島根に戻ってくる若者や、生まれてくる子どもたちの数を増やしていきたい」と述べました。

自民 細田元幹事長「分裂選挙は大いに反省」

大庭候補を支援した自民党の細田元幹事長は「大庭氏は最後まで一生懸命戦ったが、自民党県連として推薦の決定まで時間がかかり、大庭氏の知名度が上がるまでいささか時間が足りなかった。市町村長やさまざまな団体の支援をいただいたにもかかわらず、勝利に至らなかった。分裂選挙は大いに反省する。私たちも反省を重ね、今後の島根県の発展のためにみんなで知恵を出していくことが大切だ」と述べました。

一夜明け…

一夜明けた8日朝、丸山氏は松江市内の後援会事務所で報道各社の取材に応じ「県民の皆さんに私という人間を選んでいただき感謝の思いでいっぱいです。島根の人口減少に歯止めをかけ、島根を守り抜いて若い世代に引き継いでいく、これに全力を尽くしたい」と抱負を述べました。

一方、保守分裂選挙で別の自民党の候補を支援した国会議員や市町村長との関係について聞かれると「オール島根で人口減少対策を進めていくという考えなので、国会議員や市町村長とも私の考え方や政策について丁寧に理解を求めていきたい」と述べて、融和を図りたいとする考えを示しました。