色とりどりの魚たちが海をわたる!「サングヮチャー」に密着!
- 2023年06月05日
4月22日に迎えた旧暦3月3日の「浜下り」。ハマウリと読みます。女の人の伝統行事ですが、最近だと家族で潮干狩りをしたりもしますよね。
海中道路の先、漁業がかつて盛んだったうるま市の平安座島では、「サングヮチャー」という特別な行事が行われます。ことしは、久々に制限を設けずに行われるということで、取材にいってきました。
内原です。やってまいりました、平安座島。
「サングヮチャー」はこの島で最大の行事で、3日にわたり行われます。取材におじゃましたのは23日の「中日」です。
まず行われたのが「トゥダヌイユー」の儀式です。年配の島の女性がもりを振りかざしたと思うと…。
えいやっ。「ブスッ」
マクブとタマンをひと思いに突き刺します。海の恵みと命に感謝。ご婦人の得意げな顔も印象的です!このあと魚をもりに刺したままみんなで踊ります。
「トゥダヌイユー」が終わると、「サングヮチャー」最大の見せ場とも言える「ナンザモーイ」に移ります。登場したのは巨大なタマンのみこし。重さは80キロにもなるそうです。
地元の中学生およそ50人が担ぎ手の中心となって、休むことなく前進。海にたどり着きました。いよいよ、みこしが海を渡ります。
目指すは700メートル離れた「ナンザ岩」という地域の人にとって聖なる岩場。「ナンザモーイ」は「ナンザ岩」を「詣でる」という意味です。
(内原キャスター)「持ってみていかがですか?」
(生徒)「めちゃくちゃ重いです」
(生徒)「魚も1つ1つこの行事のために丁寧に作っているのでその人たちの大変さにも感謝して運んでいます」
(内原キャスター)「(なんていい子なんだ…平安座島の未来は安泰だ…!)」
みこしはおよそ20年前に島の人たちが竹を編んで作ったもので、補修しながら使い続けているとのこと。地元で大切に守られてきた行事だと言うことがわかります。
この日は幸運にも天気に恵まれ、青い空に遠浅の海、そこを渡る色鮮やかなみこしが鮮やかなコントラストでした。
みこしが「ナンザ岩」に到着すると、お神酒やたこをお供えして、代表者が東の海へ向けて祈りのことばをささげました。平安座にタマンやマクブをいっぱい寄せてください、といった内容で、人々の健康や島の発展も祈願します。
そして、元の浜にもどって歌三線にあわせて踊り、この日の行事は終了です。
平安座自治会の会長の上原敏正さんは「きょうはみんな喜んでいたと思います。先人の先輩たちが築きあげたものですので絶えることなく引き続いて後世に残していくようなすばらしい行事だと考えています」と話していました。
サングヮチャーは島の人たちの願いをニライカナイに届ける、すてきな行事でした。いつまでも続いてほしいなと思います。 (取材 内原早紀子キャスター)