大原美術館の「あの名作」から新たな作品が 対話型鑑賞とは
- 2023年10月17日
表現に携わる人や場を応援する「おかやまハレ舞台」
今回ご紹介するのは、大原美術館にある作品をもとに、岡山市のアーティストたちが新たな作品を描く取り組みです。「対話型鑑賞」と呼ばれる方法で生まれたさまざまな作品や、参加したアーティストの想いをご紹介します。
👆こちら、大原美術館にあるエル・グレコの「受胎告知」です。
👆「受胎告知」をもとにこんな作品が描かれました。
👆クロード・モネの「睡蓮」からは・・・。
👆こんな作品たちが描かれました。
描いたのは岡山市に拠点を置く障害や難病がある人が活動する事業所「ありがとうファーム」のアーティストたちです
作品は大原美術館を貸し切りにして行われた「対話型鑑賞」という取り組みを経て描かれました。「対話型鑑賞」では、一つの作品の前でみんなで何を感じたかどう見えるかなど意見を言い合います。
作品から受けるイメージは人それぞれ。モネの「睡蓮」については。
オイルが光って、それが浮いて見えた
赤のイメージが頭の中に浮かんで
桜的な香りを感じる
「見た人それぞれが自由に解釈していい」。そのことを実感したアーティストたち。
この日見た作品をもとにイメージを膨らませ新たな作品を描くことになっています。
参加したアーテイストの一人、KAITOさんです。
仲間たちと一緒にさまざまな意見を出していました。
KAITOさんが描くことにしたのはカンディンスキーの「尖端」という作品です。どんなイメージが浮かんだのでしょうか。
王様がこれから冒険しに行く、旅に出るみたいな。「これから楽しいことがおきますよ」と仲間を誘って、まだ見たことない世界に飛び込んでいく
KAITOさん、作品制作にとりかかりました。
以前王様がいると?
王様、と王様の仲間
王様の周りにはたくさんの仲間たちの姿が。
自閉スペクトラム症のあるKAITOさん。9年前、ありがとうファームにやってきました。
仲間たちとふれあう中で心に変化があったといいます。
自分が昔ぽつんと1人でさみしくいることが多かったので、ありがとうファームに来て、みんな優しく声かけてくださったり優しく接してくださるので、初めてちゃんと人と関わっていきたいなと自分で心から思えた。一人でいるよりきっとこういう仲間が出てきたほうが楽しいだろうなという感じで描き始めた。ちょっと欲張りな感じ。
作品に仲間がだんだん増えてきてる傾向があるかなと自分では思います。より強くなった感じはしますね。自分の中で明るくて楽しくなれるような、たくさん仲間が出てくるような絵を描いていきたいです。