【元小結・松鳳山に挑む!女子中学生】
戸部眞輔アナウンサー
2023年09月06日 (水)
全国大会で優勝する選手もいるなど、女子の相撲も盛んな大分県。
今回、相撲に励む子どもたちにもっと強くなってもらおうと、別府市の道場に、特別講師として、宇佐産業科学高校出身で、大相撲の元小結・松鳳山の松谷裕也さんをお招きました。
今回は、松谷さんとの対戦を熱望していた女子中学生の夢が叶いました。
初の全国大会優勝を目指す 高いしこを踏む中学1年生
16人の小中学生が稽古に励む、別府実相寺相撲クラブです。
このうち、5人が女子選手です。
中学1年生の甲斐実里(かい・みのり)さんです。
甲斐さんは身体能力が高く、こんなに高いしこを踏むことができます。
しかし、誰もがここまで踏めるわけではありません。
優勝31回の横綱・千代の富士や、優勝22回の横綱・貴乃花も、高いしこを踏める力士でした。
高い柔軟性とバランス感覚がないと、高いしこは踏めません。
甲斐さんは、初めて出た相撲大会をきっかけに小学1年生から稽古を始め、去年、小学6年生の時には全国大会で準優勝しました。
相撲の魅力をこう感じています。
(甲斐実里さん)
「ものとか使わずに、自分の体で勝負するところが相撲のおもしろいところ。自分より体が大きい人に勝った時が楽しい」
基本的に体重別で争う女子の相撲ですが、線の細さが課題の甲斐さん。
まだ成し遂げたことのない全国大会での優勝に向けて、自分より大きな松谷さんと相撲を取ってみたいと考えています。
実は甲斐さん、こんなことがありました。
NHK大分が去年、宇佐市で開催した「教えて松鳳山」というイベント。子どもたちの質問に対して、松谷さんが実技を交えて答えるというものでした。
このイベントに参加した甲斐さんは、松谷さんに質問ではなく『私と相撲を取ってください』と申し出たのです。
(甲斐実里さん)
「元力士と相撲を取る機会はあまりないので、相撲を取って、思い出になったと思いました。自分より体が大きい人にどうしたら勝てるかを学びたいです」
そのとき対戦はできませんでしたが、今回、松谷さんへの挑戦が実現しました。
元小結・松鳳山に挑む中学1年生!
きれいに掃き整えられた土俵に甲斐さんと松谷さんが入ります。
そして、立ち合い!踏み込んだ甲斐さんは左を深く差して、松谷さんの腰の右側に食いつきました。
左脚をうまく使いながら攻めますが、重い腰の松谷さんは動じません。
うまくまわしを切った松谷さんは、甲斐さんの背中に素早く回り込み、送りつり出しで土俵の外に甲斐さんを出しました。
めいっぱいの相撲を取った甲斐さんは、取組後、松谷さんから、大きな相手に勝つためのポイントを教わりました。
(松谷裕也さん)
「もっと密着して、相手に身動きをとらせないようにすること。こっちの脚で、相手の膝を刈りながら出ていく。そうすれば、もっと勝てると思う。当たりもよかったし、しこもきれいだし、このままがんばって!」
(甲斐実里さん)
「自分の良いところや改善点などを教えてもらったので、稽古して、全国で優勝できるようにしていきたいです」
今回、男子も含めて松谷さんから様々な指導を受けた子どもたち。いい表情をしていました。
(松谷裕也さん)
「相撲を取って、楽しいと思ってもらえれば、相撲は好きになると思うんで、それでなおかつ、試合で勝てるようになってくれば、もっと好きにもなると思う。稽古はきついですけど、その先に楽しいことが待っているので、そうやってもっと相撲を好きになってほしいですね」
子どもが稽古できる環境は、大分県内に6カ所(別府市、大分市、宇佐市、中津市、日田市、佐伯市)あります。
少子化の世の中ではありますが、男女問わず、相撲を楽しむ子どもたちが増えていくことを願っています!