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新潟県 おにぎり専門店 古町 万代などで相次ぐ なぜ今?

  • 2023年05月02日

おにぎりを店舗やテイクアウトで味わえる専門店のオープンが新潟県内で相次いでいます。おにぎりはコンビニやスーパーで気軽に買うことができますが、なぜ今「専門店」なのか。
新たなビジネスチャンスをつかもうと動く新潟市中央区古町地区の2つの店を取材しました。
(新潟放送局記者 米田亘)

おにぎり専門店 8店舗がオープン

県内で出店が相次ぐ「おにぎり専門店」。店舗の公式ホームページなどをもとに調査したところ、2022年1月以降少なくとも8店舗がオープンしていたことが分かりました。

中でも新潟市中央区の古町地区では商店街に3店舗が店を構え、まるで「おにぎりロード」のような状況です。

「おにぎり 観光みやげの定番に」

ほかほかに炊き上がった新潟のコメ。具を優しく包む「おにぎり」は素材の味を存分に引き出します。

新潟市中央区古町通4番町に2023年4月にオープンしたこちらのおにぎり専門店。平日もお昼どきには多くの客でにぎわいます。

利用客
「おいしいのでみんなで来ました。家で作るのと比べてお米も握り方も違うので」

店主の三國透さん。会社に勤務するサラリーマンです。仕事の出張先の東京で「おにぎり専門店」に立ち寄った時の気づきが出店のきっかけだったといいます。

おにぎり専門店 三國透 店主
訪問したお店が3時間くらい待たないといけないほど混んでいたので正直食べずに帰りましたがそれぐらい『おにぎりってうけるんだな』と衝撃を受けました。これを米どころの新潟県でやったらいいのではないかと。

その後キッチンカーでおにぎりの販売をスタート。手応えを感じたことから勤務先の上司に相談し会社の事業として出店を計画、オープンにこぎつけました。

こだわりの1つが「ひと手間」をかけた仕込み。具材に入れるサケは炭火で焼いてからほぐします。

新潟県産コシヒカリを使い、具材も魚沼市の野沢菜や五泉市の卵などを使います。
2つの具材を1つのおにぎりにのせることもでき、その組み合わせは約50通りにも。

おにぎりは注文を受けてからその場で握るスタイル。できたてを店内で味わえます。

こうした工夫を付加価値として押し出し、1個300円から500円ほどという価格を設定しました。

三國さんはコメの消費が減るなか、米どころ新潟から「おにぎり文化」を盛り上げていきたいと意気込みます。

三國透さん
これから観光客も増えてくると思うので新潟県に来たときに選んでいただけるお店にしたいと考えています。観光客がうちの店を選んでおにぎりを買っていただいて、そのまま新幹線に乗って帰るみたいな。いっぱい食べていただけるようにこれからも頑張っていけたらと思います。

異業種からの挑戦 目標は「全国100店舗」

そして、この店からわずか数十メートルほど離れた場所にも「おにぎり専門店」が。

店主の笠井則克さんです。2022年11月に店を構えました。

おにぎり専門店 笠井則克 店主
1つ1つ個包装にしてあります。清潔感を出すだけでなく持って帰りやすいようにということで。

テイクアウトに力を入れ、価格は200円台が中心です。女性でも食べやすいよう小さめのおにぎりを意識しました。

さらに地元の人や学生に親しんでもらおうと朝限定の割り引きやランチタイムにはみそ汁の無料サービスなども行っています。

利用した18歳の専門学校生
『塩引鮭』と『高菜明太』を買いました。おにぎりがセットで豚汁もついて500円です。学生の財布にも優しいかなと思います。

笠井さんの本業はリサイクル会社の経営。異業種からの挑戦でした。

笠井則克さん
SDGsやカーボンニュートラルで本業の業績が安定していて。もともと飲食店をやりたいと思ってたのが出店のきっかけです。本業では出張が多いんですけど、新潟に戻って食べるコメがおいしいのでコメを使った料理にしたいなと思っておにぎりにしました。

こうしたなか、取り組んだのが。

こちらが2店舗目を予定している古町ルフル店です。

同じ古町地区に2023年4月29日に2店舗目をオープン。近隣で働く人たちに売り込み、商店街の活性化にもつなげていきたいと目標を語ります。

新型コロナで少し元気がなくなっている商店街なので。起爆剤みたいな、元気になってくれればという思いで盛り上げていきたいなと思いますね。全国100店舗ぐらいを目指しているので少しでも早くやれればなと思います。

取材を通じて

新潟県内で広がるおにぎり専門店オープンの動き。取材した店主に共通していたのは「米どころ新潟から、おにぎり文化を盛り上げたい」という熱い思いでした。出店のタイミングについて共通するのは「特に狙ったわけでもなく、たまたま相次いだのでは」という言葉でした。
社会経済活動が本格的に再開する今、手軽に食べられるおにぎりに商機を見いだそうという動きが相次いでいるのではないかと感じました。引き続き、米どころ新潟から最新の動向をチェックしていきたいと思います。

  • 米田亘

    新潟放送局 記者

    米田亘

    平成28年入局。札幌放送局、釧路放送局を経て、新潟放送局3年目。一次産業を中心とした経済取材を担当。好きなおにぎりの具は魚卵系。

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