楽しさ満載！”名古屋をどり”の魅力

2023年10月、日本舞踊とエンタメが融合したイベント「名古屋をどり」が開催されました。人気お笑い芸人の友近さんが特別出演！ 地元エンタメグループ「BOYS AND MEN」の本田剛文さんや「BMK」の佐藤匠さんなど多彩なメンバーも出演。この舞台の魅力を紹介します。

「名古屋をどり」とは

 

「名古屋をどり」は、戦後の焼け跡が残る昭和20年9月にスタート。傷ついた人々を癒やそうと街頭で踊ったのが始まりと言われています。昭和30年代には20日間以上も公演を行う一大イベントとなり、名古屋の秋の風物詩として親しまれてきました。

創始したのは日本舞踊の西川流。伝統的な舞踊だけでなく、川端康成や三島由紀夫といった著名な作家が脚本を手がけた「新作舞踊劇」が人気となりました。

コロナ禍からの復帰公演となった2022年は「名古屋をどりNEO」と銘打ち、エンタメ色を強化した舞台が評判に。2023年はどんな舞台になるのか、注目が集まりました。

▷2022年「名古屋をどり」の記事はこちらへ

まるでフェス！？華やかな会場

 

「名古屋をどり」が行われたのは名古屋市公会堂。昭和5年竣工、築93年の歴史を持つ建物です。会場に近づくと、建物の前にはレッドカーペットが敷かれていて―

全国から集まった芸妓さんが練り歩いていました。華やかな姿に、集まった観客はうっとり。

ミニステージも用意され、子供たちの日本舞踊や民族楽器のライブなど、楽しいイベントが盛りだくさんです。

Eテレ「芸能きわみ堂」MCの庭木櫻子アナウンサーも、楽しみながら会場の熱気をリポートしました。

新作舞踊劇「名古屋からくり事件簿」

今回のメインプログラムは、舞踊劇「名古屋からくり事件簿」。幼少期から高校卒業まで名古屋で過ごした推理小説家、江戸川乱歩からインスピレーションを受けた新作です。

明治時代の名古屋を舞台にしたミステリー仕立ての物語。乱歩の小説に登場するキャラクターのパロディが次々に登場します。例えば―

「明智小五郎」をモチーフにしたキャラクター。演じるのは、名古屋市の円頓寺商店街の芝居小屋「ナゴヤ座」の名古屋山三郎（さんざぶろう）さんです。

そして「少年探偵団」ならぬ「美少年探偵団」の5人組。名古屋を拠点に2.5次元の神秘的な舞台を作る「RE-act（リアクト）」のメンバーと、朝ドラ「ブギウギ」でも話題になっているOSK日本歌劇団のスター華月奏（はなづき・そう）さんが演じました。

怪奇小説「人間椅子」をイメージした謎のキャラクターも登場。理屈を超えたドタバタ劇が繰り広げられます。

ボイメン、BMK、友近さんも！

他にも、地元ゆかりの多彩なメンバーが登場。例えば―

名古屋発のエンタメグループ「BOYS AND MEN」の本田剛文さんが、去年に続き女方で出演。芝居一座の若手女優の役を美しい所作で演じました。

「BOYS AND MEN」の弟グループ「BMK」の佐藤匠さんも初出演。明治時代の設定なのに金髪で登場し、鮮烈なインパクトを残しました。

さらに、不動の人気を誇るお笑い芸人・友近さんも登場！ 友近さんにとって名古屋は、テレビ番組のMCを長年務める「第二のふるさと」。お得意の歌も披露し、観客を喜ばせました。

もちろん随所に日本舞踊が散りばめられています。西川流の舞踊家たちが「越後獅子」「二人椀久」「娘道成寺」といった名作を華やかに舞う姿は圧巻。初心者も伝統芸能に親しめる構成になっていました。

プロデューサー西川千雅さんの思い

「名古屋をどり」を率いるのは、西川流 四世家元の西川千雅（かずまさ）さん。伝統芸能の家に生まれながら、ニューヨークの美術大学に留学して現代アートを学ぶなど、自由な発想を育んできました。

2時間超「完全版」の放送も

NHK名古屋では、10月21日に上演された「名古屋をどり」の公演をテレビ収録。11月24日に「芸能きわみ堂」（Eテレ・全国）で放送します。

しかし、オンエアできるのは約20分のハイライト版のみ。これではもったいない！ということで、2時間超の「完全版」を放送することにしました！

放送エリアは中部7県（愛知・岐阜・三重・静岡・富山・石川・福井）のみですが、NHKプラスでの配信は全国でご覧いただけます。

番組冒頭にはメイキング・ドキュメンタリーも。稽古の様子や公演の舞台裏など、必見の映像が満載です。ナレーションはBMKの佐藤匠さん。ぜひご覧ください！

【追記】BMK佐藤匠さん、ナレーション収録を完了！

 

「完全版」の放送に向け、BMKの佐藤匠さんがNHK名古屋のスタジオに来局！人生初のナレーション収録とのことでしたが、表情豊かなステキな声で、番組を盛り上げてくださいました。