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中部ネイチャーシリーズ「天空の水鏡」ディレクター撮影後記

  • 2023年12月03日

中部ネイチャーシリーズ「天空の水鏡」をご覧いただき、ありがとうございました!担当ディレクターの石山と森です。9月から10月にかけて「夜叉ヶ池」と「仙人池」2か所をイナガキヤストさんとロケし、たくさんの時間を一緒に過ごさせてもらいました。ここでは番組ではお伝えしきれなかったイナガキさんの一面やロケ現場の裏側を、ディレクター目線でお届けします。
(中部ネイチャーシリーズ 担当ディレクター 石山達士 ・森香里)

「イナガキさんのスケジュール、がっつり頂戴いたします」

今回、イナガキさんに出演をご相談した際、最大の懸念事項は【スケジュールの確保】でした。最近、地元・富山を飛び出し、撮影や展覧会、トークショーなどで全国をかけまわるイナガキさんが、ある程度の日数が必要な山ロケにお付き合いいただけるのだろか・・・、不安とドキドキの中で、最初のオンライン打ち合わせを迎えたことを覚えています。

前編の「夜叉ヶ池」をご覧いただくと、一日で撮影しているように見えるかもしれませんが、実はじっくりと撮影するために、山ロケには数日かけることが大半です。ちなみに「夜叉ヶ池」のロケでは、イナガキさん、初日は5合目付近まで、2日目は池まで、そして3日目もまたまた池まで、結果トータル2.5日、登山口と夜叉ヶ池を往復していただきました。(ちなみに一般的なコースタイムは、上り2時間半、下り2時間)

撮影中のイナガキさんとロケスタッフ。
サクサク歩けばこのポイントまで30分の距離ですが、ロケしながらのため2時間かかりました。

全体的にお天気に恵まれた「夜叉ヶ池」ロケですが(イナガキさん=晴れ男説が濃厚!)、スケジュールを決める時点では1か月先の天候はよめないため、数日の【予備日】を設けることが鉄則です。一見、1日の日帰りロケのように見える「夜叉ヶ池」ですが、実はイナガキさんには前泊を含め5日間もスケジュールをいただいていたのです。(イナガキさん、ありがとうございました!(涙))

そして、さらに言うと、イナガキさんのロケが終わった後も、撮影スタッフは【抜きロケ】(池や生き物、花などを出演者なしで撮影すること)を行うため、翌日と翌々日も夜叉ヶ池へ。そう、4.5日連続で登ったことになります。さらに1週間あけて、ドローン撮影にも行ったので、正確にはトータル5.5日の夜叉ヶ池登山。残暑の厳しい9月中旬ということもあり、どんどんスタッフの口数が少なくなっていったのは、ここだけの話です。

【抜きロケ】にはげむカメラマン。
これは何度目かの夜叉ヶ池。

ビッグなイナガキさんが山小屋でみせたビッグな器

山登りがお好きなイナガキさんですが、実は「仙人池」のロケで初めて体験されたのが、山小屋での宿泊。これまで室堂周辺のホテルで宿泊は経験されていますが、やはり本格的な山小屋とは勝手が違います。「仙人池」ロケは、どれだけお天気に恵まれても、3日連続で山小屋に宿泊しなければ往復できません。

「スタッフと相部屋でも大丈夫だろうか?」「お風呂にはいれなくても大丈夫だろうか?」・・・心配はつきませんでしたが、いざロケがはじまると「山小屋のごはん、おいしいですね~」「小屋の雰囲気がいいですねぇ~」など、イナガキさん、まったく動じる気配をみせません。身長190センチとビッグなイナガキさんですが、許容範囲もかなりビッグだということが徐々に判明していきました。

水間ガイドと一緒にお弁当を召し上がるイナガキさん。
「山で食べるごはんはおいしいですね~!」ともちろん完食。

剱沢から仙人池までは、撮影なしで普通に歩いても8時間のロングコース。アップダウンが激しく、ヘトヘトになって仙人池にたどりつく登山者も少なくない中、イナガキさんは到着した直後から精力的にご自身の撮影スタート。いっときも休むことなく、被写体に向かい続けていました。なかなかのパワフルさです。

仙人池の夕景、さらには夕食をはさんで、夜の撮影が続き「さすがにこんな状況(※画像参照)では落ち着いて眠れないのでは・・・」と心配していましたが・・・

仙人池ヒュッテではスタッフ全員で雑魚寝。イナガキさんは真ん中。
すぐに外の様子が確認できるよう窓の近くを希望されました。

朝5時にむくっと起き上がり、窓から外を眺めながら「雨の音すごかったですねぇ。あれ、晴れてきたんじゃないですか?撮影できそうですねぇ~」と目をキラキラさせるイナガキさんの姿を見て、タフさとともに、その器のビッグさを確信した山小屋の朝でした。

「中部ネイチャーシリーズ」番組HP

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