子どもの歯みがき いつから?磨き方と嫌がる子への対策も紹介
- 2023年06月15日
歯は小さい頃のケアが一生に影響すると言われています。子どもの歯を効果的にケアするための「道具選び」や「方法」、お子さんやお孫さんを嫌がらせずに歯磨きするアイデアについて専門医に話を聞きました。(てげビビ!キャスター 上田詩織)
お話しを伺ったのは、子供の歯を専門に診ている押領司謙(おうりょうじ・けん)さん。
これまで小学校の健診をはじめ、数万人の子供の歯を診てきました。
子どもの歯のケアは、やっぱり大切なんですか?
もちろんです!生えてきたばかりの歯はとても弱くもろい状態です。その上、一度むし歯になると進行が早いので、子どもの歯のケアは重要なんですよ。食後のブラッシングが基本ですが、意外と知られていないのがフロス!!フロスと歯ブラシの二刀流が大切です。
子どものうちからフロスって必要なんですか?何歳くらいから使えばいいのか悩みます・・・。
子どもにこそ使ってほしいんです!乳歯が虫歯になると、そのあと生えてくる永久歯の形・色・生えてくる場所にも影響が出てくるからです。重要なのは『歯と歯の間が詰まっているかどうか』これを判断基準にしてください。歯と歯の間に隙間がない場合は1~2歳の小さな子どもでもフロスを使用してあげてください。
フロス使用時のポイント① 形はピック状で!
使うフロスは上の画像のようにピック状のものがおすすめ!必要な分だけ指に巻いて使うものもありますが、子どもの場合は保護者が使うことになるので、持ちやすいピック状がよいかと思います。
フロス使用時のポイント② 順番はフロス→歯ブラシ
順番は①フロスで②歯ブラシです。フロスで歯と歯の間に詰まってた汚れをかきだしてから歯ブラシでブラッシング。これで汚れをしっかり落とせますよ!
フロスと歯ブラシ、順番に迷っているという人は多いかもしれないので、参考にしたいですね。でも・・・そもそも歯磨きでも嫌がる子どもが多いと聞きます。フロスは奥まで手を入れなきゃいけないのでより難しそうですよね。
だからこそ注意してほしいのが奥に生えてくる6歳臼歯という永久歯です。下の画像で、一緒に確認してみましょう。
青色の部分が6歳臼歯です。中央から数えて6番目。『6番目の6歳臼歯』と覚えるといいかもしれませんね。5~6歳頃に上下合わせて4本生えます。永久歯なので生え変わることはありません。大切な歯なんです。これらが生えるとほかの歯が押されて歯と歯の間が狭くなります。食べ物が詰まりやすくなるので、6歳臼歯はもちろん、他の歯も虫歯のリスクが高まります。
重要な歯なんですね。フロスを上手に使うにはどうすればいいんでしょうか?
フロスは上下に!小刻みに!
上手く入らない場合は歯の間をぐっと押している状態。前後に小刻みに動かすと力を入れずにスッと入るし、抜く時もスッと抜けますよ。
歯磨きを嫌がる子どもには?
どうしても歯磨きが苦手という子どもには次のことを試してみてみるといいでしょう。
ストップウォッチや砂時計を使って、時間を決めてやってみましょう。『ピピっと音が鳴るまでね』『砂が下に落ちるまで頑張ろうね』と声をかけてあげてください。
なるほど。ゴールが見えると頑張れそうですね!
手鏡を使うのも有効ですよ!
手鏡ですか?
子どもに手鏡を持たせてください。今どのあたりを磨いているのかが分かると、嫌がらずに磨けることがあります。ぜひ試してみてくださいね。
それからもう一つ。1~2歳くらいまでのお子さんの場合、下の画像のように上唇をめくると、中央に筋がありますよね。
たしかに。赤い矢印の先に、筋のようなものが見えます。
1~2歳くらいの子どもが歯磨きを嫌がる理由の一つに『筋に歯ブラシが当たって痛みを感じること』が挙げられます。実は結構多いんですよ。それから綺麗に磨こうとして力を入れすぎてしまうのにも、気を付けてあげてくださいね。
いかがでしたか?生活に欠かせない大切な歯。これを機に、お子さんやお孫さんの歯と口の健康、改めて一緒に考えてみてはいかがでしょうか?日々のセルフケアを大切に、定期的に歯科医院へ通うことも忘れずにいたいですね。