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宮崎の名産品「マンゴー」売れ残りはどうなる?

てげ探
  • 2023年06月20日

宮崎の名産品マンゴー。スーパーでもよく見かけますが、普段気軽に食べるにはちょっと高いですよね。まさに、その“高級さ”ゆえに売れ残ることがあるのでは?という疑問が寄せられました。ということで今回は「売れ残ったマンゴーはどうなるのか」を調査します!

最もマンゴー集まる青果市場へ

この時期は、1日で最大5000個のマンゴーが競りにかけられます。
1個5000円の値がつくブランド品種も、飛ぶように売れていきます。
取材した日だけで150万円をはたいた人も!そんな中で売れ残りがあるのか聞いてみました。

【青果市場 マンゴー担当 荒井さん】
売れ残りはありません。すべて完売となっています。
生産者が一生懸命に作った品物をおいしい時に早めに消費者に届けるのが仕事ですから。

そもそも市場には「その日入荷したものはその日のうちに売り切るべし」という規則が定められています。

スーパーでは?

では実際にマンゴーを販売している現場ではどうか。まずはスーパーを訪ねました。
この店では1個2500円以上ですが、この時期は1時間に3個売れることもあるそうです。
売れ残りがあるのか聞いてみました。

【スーパー店長 佐藤さん】 
売れ残らないように、店では努力してます。
農家さんの愛情込めて作られた商品なので、少しでもお客様に味わってもらいたいという気持ちがありますので

この店では仕入れてすぐ店頭に出しており、1週間までを食べ頃としています。
その期限までに売れなさそうなものは、細切れにして他のフルーツとあわせて販売しています。
むしろ「手ごろな価格でマンゴーが食べられる」と好評で店の人気商品になっているそうです。

贈答品をそろえる専門店ではさすがに…?

続いて主に贈答品を扱う果物店へ行ってみると、店内にはスーパーよりも高価格帯の商品が並びます。さすがに少しは売れ残るかと思いきや…。

「売れ残ることはない」と答えた大野さん。並べていたマンゴーを持ち出して近隣で自社経営している喫茶店へ向かいました。そこで作ってくれたのは、マンゴーをぜいたくに使ったお店自慢のパフェ。

お値段1880円ですが、SNSでばえると若者の心をがっちりキャッチ。いまや“パフェの店”として、喫茶店の方が知られているそうです。そこには徹底して売れ残りを防ぐ狙いがありました。

果物店 大野さん 】
果物店を昭和56年から経営しているんですけど その時から先代であるうちの母が果物が残っていることをどうにかしたいっていうのでパフェを始めました。(フルーツ店というより)パフェの店という印象は強くついて、知ってもらうきっかけになったので、すごく始めてよかったなと思ってます。

というわけで調査結果は、「マンゴーは人気と企業努力で売れ残らない!」
買う人の選択肢を増やして捨てない工夫をしています。

マンゴーの他にも!

さらに調べると、宮崎では食べられないものまで有効に使おうという動きがあることを発見しました。

訪ねたのは、川南町に本社を構える大手飲料メーカー。お茶やジュースなど、200ミリのペットボトルに換算して年間40億本分を製造しています。その過程で生まれる廃棄物が注目を集めています。廃棄物の量は年間7000トン。処理コストが大きな課題でしたが…

【飲料メーカー 鴨田さん】
安価で必要とされる農家さんに有償でお譲りしている。弊社としては、経費の削減になりますし、農家さんにとっては安価で買えるので、大変喜ばれている。

「捨てるくらいならエサとして使いたい。」という県内の畜産農家からの依頼で安く譲ったところウワサが広まり、現在の提供先は11社に。年間の処理コストは、2000万円以上削減できたと言います。

廃棄物を買い取っているという会社の1つを訪ねました。
ここではニンジンの搾りかすを1週間発酵させて“あるもの”のエサにしていると言います。それは…。

なんと、ここは「ミミズの養殖場」。推定5億匹を育てているそうです。
この会社では「ミミズには血液をサラサラにする成分が含まれている」として粉末に加工し、健康食品の原料を作っています。食欲旺盛で年間1000万円かかっていたエサ代がほぼ無料に。おかげで事業は急成長。養殖場も県内5か所に増えました。

【健康食品会社 工場長 野崎さん】
ミミズは宮崎ならではの特産物だと私は思っているので。もともと廃棄していたものをうちらが頂いてありがたいのひとことですね。

いまは環境への意識が高まっているので、もっと意外な組み合わせで新たな“お宝”が生まれるかも知れませんね。

  • 佐藤壮平

    NHK 宮崎放送局

    佐藤壮平


    前任地は北海道宮崎マンゴーの美味しさに惚れました!

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