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宮崎 491人インフルエンザ 全校生徒900人の約半数感染 なぜ?

  • 2023年05月18日

宮崎市内の高校で5月16日までに、生徒476人・職員15人のあわせて491人がインフルエンザに感染していることが分かりました。
同校は15日から22日まで休校となり、市は感染防止対策の徹底を呼びかけています。

500人近くがインフルエンザに集団感染

宮崎市によると、この高校では今月9日から発熱やせき、のどの痛みなどの症状を訴える生徒が出始め、16日までに生徒476人、職員15人のあわせて491人がインフルエンザに感染したことがわかったということです。これまで重症化した患者はいませんが、高校では15日から22日まで休校することを決めています。

宮崎市の清山市長は、17日に行われてた定例の記者会見で「体調不良の場合は学校に行かないなど個別の感染対策を取り、室内の換気やマスクの着用を徹底してほしい」と注意を呼びかけました。

感染が判明したのは宮崎第一高校。原因は?

インフルエンザの集団感染が確認されたのは、宮崎市の宮崎第一高校です。
学校と宮崎市保健所によりますと今月9日、生徒1人のインフルエンザへの感染が確認された後、翌日の10日には生徒のクラスメイトなど14人への感染が確認されました。
この後、インフルエンザに感染した生徒が30人に広がる中で12日に体育祭を行い、週明けの15日に394人の生徒や職員に感染が急拡大したということです。

その後、感染は落ち着いていったものの、これまでに全校生徒およそ900人のうち、半数を超える500人近くがインフルエンザに感染したということです。

宮崎市が17日に公表した資料(感染者数の累計)

感染が拡大したことについて学校は、大型連休の期間中の行楽がきっかけになったのではないかとしたうえで、新型コロナウイルスの5類への移行を受けて、コロナ禍で控えていた体育祭での生徒の声出し応援の全面的な再開や、「十五人十六脚」など生徒同士が接触や密着するような競技を行ったことなどが原因ではないかと説明しています。

市内の別の中学校でも

また、宮崎大学教育学部附属中学校では8人の生徒がインフルエンザに感染したことが確認され、18日と19日の2日間、臨時休校することをホームページで発表しました。学校によりますと、感染が確認された生徒以外にも発熱や頭痛、のどの痛みなどの症状を訴える生徒がいるため「用心のために臨時休校を決めた」としています。

宮崎でインフルエンザは流行しているの?

宮崎市内のインフルエンザ定点報告数は、5/8~5/14のデータで「3.13人」となっています。
インフルエンザ流行の目安とされる「注意報レベル」は定点あたり10人以上、「警報レベル」は定点あたり30人以上のため、いまのところ「注意報レベル」を大きく下回っています。

専門家「年間通じて感染の可能性」

今回のインフルエンザの集団感染について感染症の専門家・峰松俊夫医師(愛泉会日南病院)は「日本では冬場に流行する印象が強いが、年間を通して感染する可能性はある」と指摘しています。

インフルエンザウイルスの株は変異を繰り返すため、数年前に感染し抗体を持っていたとしても新たな株のウイルスには効果が薄く、いつでも感染する可能性があり、どの時期に感染が拡大しても不思議はないということです。

さらに峰松医師は、新型コロナの5類移行に伴って人の動きが以前のように戻ってきたことやこれまで続けてきたマスク着用や手指消毒など感染対策への”緩み”が出てきていることも背景にあるのではないかと分析しています。

峰松医師は「新型コロナは症状が出る前に感染が拡大するがインフルエンザは症状が出てから感染が広がる感染症なので体調が悪いと感じた場合、すぐに医療機関を受診し、休むなどして感染拡大に気をつけてほしい」と話しています。

対策は?

インフルエンザウイルスの感染経路はおもに2つがあげられています。

①飛まつ感染・・・患者のせきやくしゃみで飛び散った唾液などの飛まつにウイルスが含まれています。
②接触感染・・・患者がウイルスのついた手でドアノブなどに触れるとウイルスが付着します。別の人がそのドアノブを触ると手にウイルスがついてしまいます。

ウイルスは手についただけではなく口や目、それに鼻などを触ってしまうことで感染してしまいます。
帰宅時や調理の前後、食事の前などこまめな手洗いを心がけましょう。アルコールを含んだ消毒液で手を消毒するのも効果的です。

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