“有機野菜の価値”を知る給食 AYAオーガニック給食DAY
- 2023年01月18日
宮崎県綾町。50年も前から有機栽培に力を入れてきた町で、今月、ある給食が始まりました。その名も「AYAオーガニック給食」。有機JAS認証を受けた綾町産の野菜をたっぷり使った給食です。
今回はなんと一度に7種類もの有機JAS野菜が使われました。「身近に野菜があふれている綾だからこそ、改めて有機野菜の価値を子どもたちに学んでもらう機会にしたい」という今回の取り組み。なぜこのタイミングで始めたのでしょうか。 アナウンサー 内藤雄介
有機野菜いっぱいの給食
綾町立綾小学校です。1月13日、初めての「AYAオーガニック給食DAY」が開かれました。お昼時に、5年1組の教室にお邪魔しました。
この日のメニューは「七草寿司」(左前)・「魚そうめん汁」(右前)・「綾野菜と大豆の炒め煮」(中央奥)、そして「牛乳」です。
このうちの炒め煮に、7種類の有機JAS認証の野菜が入っています。人参・大根・赤大根・ほうれん草・キャベツ・白菜、そして原木シイタケ。味はどうだったのか聞いてみると・・・
“有機野菜の価値”を伝える給食
今回の給食は、綾町の農林振興課が学校関係者に持ちかけて実現しました。炒め煮に使われたのは「乾燥野菜ミックス」。綾町役場と都城市の企業がタッグを組んで開発したものです。手軽に使え、大量に調理する給食に向いているということで採用されました。
野菜に含まれている酵素が壊れない温度で低温乾燥させていて、健康維持効果が期待できる酵素がたくさん含まれているということです。
材料の野菜は全て有機JAS認証を受けたもので、パッケージにはその証であるマークが付けられています。
太陽と雲と植物がイメージされたこちらのマーク。農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本とし、自然界の力で生産された食品に付けられます。明確な基準の下で栽培され、生産者自身が保証したものです。
▼有機JAS認証の基準について紹介した記事はこちら!https://www.nhk.or.jp/miyazaki/lreport/article/003/11/
こうした過程を経て食卓に並ぶ有機JAS野菜について、子どもたちに知ってもらい、野菜の価値を高めることにつなげていきたいというのが今回の取り組みの狙いです。給食の時間中には、放送部から校内放送での紹介もありました。
綾小学校の岩切淳校長は
「綾町の有機野菜について知ることは、町のことをより深く知ることにもつながります。当たり前に日々食べている野菜を作ってくれている生産者へも感謝の気持ちを持って欲しい。教育は五感を使うことが大事だといいますが、香りをかぎ、味わいながら有機JAS野菜に触れることで、より記憶に刻まれたのでは」と話しています。
大切にしたい 子どもたちへの教育
オーガニック給食の実施に携わった、綾町役場 有機農業振興係の小八重志保係長は、「国がみどりの食料システム戦略を打ち出す中で、有機農業の裾野を広げていく取り組みが求められている。先ほどの乾燥野菜のような六次産業化に加え、子どもたちにも有機JAS認証のことを知ってもらいたいと今回の給食を企画した」と言います。
始まったばかりの「AYAオーガニック給食DAY」。年度内にあと数回行われ、こちらの記事で紹介した「綾野菜のレシピコンテスト」で上位入賞したレシピも、有機野菜を使って出すことを検討しているとのことです。学びながら食べた子どもたちが、有機野菜の価値をどう感じ、今後どんなアプローチをしてくれるのか、注目していきたいと思います。
▼「ベジ価値UPキャンペーン」 特集ページはこちら!
https://www.nhk.or.jp/miyazaki/program/vegekachi/index.html