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【宮崎県】AED24時間化の取り組み 約半数の自治体で実施

  • 2022年12月20日

 心停止による突然死を防ぐ強い味方、AEDを24時間、誰もが使えるようにしようという動きが広がっていて、県内のおよそ半数にあたる12の市町村で取り組みが進んでいます。

 NHKがことし5月に調査した時点では、AEDの24時間化に先行して取り組んでいたのは、県内26市町村のうち、日南市、えびの市、門川町、美郷町、椎葉村の5つの市町村でした。
 

 改めて聞き取り調査を行ったところ、新たに宮崎市、都城市、延岡市、日向市、三股町、綾町、川南町が取り組みを始めていることが分かり、「24時間化」に向けて動いている自治体は合わせて12となりました。

 新たに取り組みをはじめている都城市では、市内の小中学校54校について、これまでカギのかかる校舎内に設置していたAEDを校舎の外に移設することを決めました。

 都城市立志和池小学校では、12月6日、正面玄関の脇の外壁にAED用のボックスを取り付ける工事が行われました。ボックスにカギはかかっておらず、学校関係者に限らず誰でも使うことができます。夜間や休日は門が閉まっていることもありますが、必要であれば飛び越えて入ってもらって構わないということです。

 都城市は市内の公立の小中学校54校でこうした「AEDの外付け」を進めていて、1校を除いて来年1月1日から一斉に運用を開始する予定です。また、いざというときにすぐに使えるよう、学校の敷地のどこにAEDがあるかが分かる見取り図を今後、市のホームページに掲載することにしています。

 延岡市もすでに予算を確保しており、来年3月までに小学校区あたり1つ以上、夜間や休日にかかわらずアクセスできるAEDを設置する計画です。

 三股町が目を付けたのは学校と同じように一定の区域ごとに置かれている「消防団の詰め所」です。来年3月までに町内7地区のうち4地区について、消防団の詰め所にすぐに取り出せるAEDを設置します。

 一方で、取り組みには温度差があります。取り組む期限などを定めていないのが宮崎市です。AEDは大体5年程度でリース契約が更新になるんですがそのタイミングに合わせて各施設に設置場所を変更するよう呼びかけるにとどまっています。

 また日向市、綾町、川南町は、具体的な方法は今後検討していくとしています。

 県内で広まっているAEDの24時間化ですが、実はNHK宮崎放送局でも、ことし8月にAEDを外付けに変えました。

 NHK宮崎放送局は宮崎市の江平西、宮崎神宮の一の鳥居から北に150メートルほどのところにあります。正面玄関のすぐ脇にあるので、NHKの近くでAEDが必要になったときは、ためらわずに使ってください。

 宮崎県内でAEDの24時間化の動きが広がっていることについて、京都大学大学院・医学研究科の石見拓教授に話を聞いたところ、石見教授は、「24時間化に向けた動きが県全体で起きているのは全国的に見ても珍しい。この動きをさらに進めて、AEDを地域に開かれたものにするモデルケースになってほしい」と評価していました。

  • 坂西俊太

    NHK宮崎放送局

    坂西俊太

    入局5年目の記者
    担当は県政
    AEDについて継続取材中

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