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【Q&Aで詳しく】値上げ相次ぐハンバーガー 社長たちの戦略は?

私たちの身の回りで続いている、物価の上昇。家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる消費者物価指数(生鮮食品を除く)は去年の1年間の平均で、前の年より3.1%上昇しました。
かつて、デフレの象徴とされたハンバーガーもその一つ。ハンバーガーチェーン各社は相次いで値上げにかじを切っています。
値上げの背景は? 賃金の上昇は? 各社の今後の戦略は?
ハンバーガーチェーン3社の社長たちに、独占インタビューで聞きました。

(クローズアップ現代 取材班)

「値上げ」と「賃上げ」へかじを切った最大手マクドナルド

業界最大手のマクドナルドでは、この2年あまりで5回の値上げを実施。去年1月には、ハンバーガーの値段を150円から170円に引き上げました。
バブル崩壊後59円にまで下がった2002年に比べ、いまや3倍近い値段になっています。
値上げをしたことで、客単価は8%あまり上昇し、全店の売り上げは7700億円あまりと過去最高を記録。2年連続で平均4%の賃上げにも踏み切りました。

日本マクドナルド 日色保 社長

Q 値上げに踏み切った背景は?

日本マクドナルド 日色保 社長

「日本は非常に人手不足というのもありますから人件費の上昇、そして輸入原価がだんだん上がってきているというトレンドの中で、どこかでやはり判断しなければいけないな、というところが2021年から2022年にかけてありました。その後、急激な円安と輸入物価の上昇というのがあって、かなり短い時間軸の中で判断しなければいけなかったのが2022年、2023年だと思います。フランチャイズオーナーやサプライヤーがこれからもサステイナブルにビジネスを継続していくためには、やはり価格をしっかりと是正して、しっかりと収益が出るような形にしていかなければいけないということもあって、数回の値上げをしたという背景があります」。

Q かつての低価格戦略についてはどう振り返る?

日本マクドナルド 日色保 社長

「バブルが崩壊してデフレに入った時に、需給バランスが崩れますから、価格を下げてでも量を取りに行こうということで、また円高だったこともあってですね、かなり極端な値下げをしたわけです。でも実際マクドナルドはほぼその時には赤字になってしまっているんです。あまりサステイナブルなビジネスじゃなかったんですね。やっぱりどこかに限界が来て、どんどん縮小傾向のサイクルに入りますよね。ですから、値段を下げて量を取りに行くというのは、短期的にはいいかもしれませんけれども、次の成長への投資や人への投資を考えると、やはり一定の収益は確保できるようなビジネスを展開していかないと、私たちだけでなくフランチャイズオーナー、サプライヤー、みんながしっかり収益を取れて次に投資ができる、という循環にならないと思うんですよね」。

Q 今後の展望は?

日本マクドナルド 日色保 社長

「今まさに日本経済というのが分水嶺ぶんすいれい、転換期に来ているかなというふうに思います。よく言われていることなんですけど、第一の力と第二の力というのがあって、第一の力というのは輸入原材料の上昇分をいかに価格に転嫁していくか。それによって消費者物価が上がっていく。そして、第二の力というのは。賃金の上昇と物価の好循環というところ。これからそちらに移っていけるか、というところの瀬戸際だと思うんですね。値上げはお客様にご負担をおかけすることになりますので、やっぱりもう本当に慎重に慎重を期してギリギリのところで判断している、というのが実情ですけれども、しかし、これからの日本経済全体が将来への投資、人への投資、それを担保するための価格戦略によって経済が好循環に回っていくというのがこれから必要なんじゃないかと思います」。

過去最高の売り上げ  初の賃上げに踏み切るウェンディーズ・ファーストキッチン

ウェンディーズ・ジャパン 紫関修 社長

値上げと賃上げを進める動きは、ハンバーガーチェーン各社にも広がりつつあります。
関東や関西を中心に66店舗(4月17日現在)が展開されているウェンディーズ・ファーストキッチンでは、ことし初めて社員一律、平均6%の賃上げを実施しました。
背景にあるのは、都心部での好調な売り上げ。インバウンドやビジネスマンを中心に、セットで2000円以上の高価格帯のハンバーガーが売れているといいます。客単価の上昇を受け、売り上げは去年過去最高を記録しました。

Q 好調な業績の背景は?

ウェンディーズ・ジャパン 紫関修 社長

「いま京都、大阪、東京都心というのは、やはりインバウンドのお客様が多いんです。ブレックファストもそうですし、ディナータイムもそうなんですけれども、非常にインバウンドのお客様で売り上げが上がっているところがあります。あとはオフィスに働く人が戻ってきたので、ランチタイムも好調なんですね。コロナ禍前よりも非常によい状況が続いています。やはり皆さん、我慢していたものを発散している。確かにすべてのものが今値上がりをしていて、家計というのは非常に厳しくなっているということも実感としてはあるんですね。その中で外食というものは控えるというような方もいると思うんですけれども、ただ、土日とか家族で今まで行けなかったところですね、消費で使っていくということは傾向としてあるのかなと。その恩恵をわれわれ外食というのは受けているのかな、というような印象はあります」。

Q 初の賃上げに踏み切った理由は?

ウェンディーズ・ジャパン 紫関修 社長

「10年後を考えたときに、どうしていかなければいけないのか、ということを考えるのはやはり経営者の責任だと思うんですね。『1年だけ賃金を上げればいいや』では、だめなんです。5年後に引き続きしっかりと収入を上げていくためには、われわれの会社、われわれの業種はどうしていかなければいけないのか、ということをしっかりと考えていかないといけないし、そこへのチャレンジを続けなければならないと思うんですね。われわれは商品を売っているんですけれども、お客様に与える価値というのはやはり“人”が作っています。それは例えば、飲食時の雰囲気だったり、サービスだったり、ただ単に商品とお金を引き換えているわけではなくて、価値を生み出しているのはやっぱり人ですから、人に対してやっぱり投資していく、ということはしっかりしていかないといけない、というふうに思っています」。

Q 賃上げを続けていくための今後の戦略は?

ウェンディーズ・ジャパン 紫関修 社長

「ある人でもお金を使う時と、使わない時ってあると思うんですよ。使う時というのは例えば観光地に行った時とか、どこか大型のモールに行った時とか。こういう時って、少し財布のひもが緩んでお金を使うと思うんですね。でも、例えば日々のランチは500円、600円に抑えておきたいなって思う人もいらっしゃると思うんです。ですから、この使い分け。そういった選択をして消費しているのかなというふうに感じています。いくつかの価格帯を持っているということは、今後必要なのではないかなというふうに思います。ただ単に商品群の価格を上げたり、下げたりするのではなくて、日々使うための価格帯と、たまにぜいたくで使っていただける価格帯をしっかりとご用意すること、マーケットに合った商品、サービス、こういったことをご提供することによってしっかりと売り上げを作っていく、ということが必要なんだというふうに考えています」。

店舗数を急拡大するバーガーキング 値上げ踏みとどまり賃上げ実現へ

ビーケージャパンホールディングス 野村一裕 社長

いま、店舗数を急激に増やしているのが、バーガーキングです。
全国各地の出店候補地を、社長みずから毎週のように視察。店舗数は全国224店舗(4月17日現在)と、この3年間で倍増しています。
一方で、節約志向の消費動向を敏感に感じ取り、あえて価格は据え置き、割り引きクーポンを押し出す価格戦略を取っています。

割り引きクーポン

Q 値上げを踏みとどまる背景は?

ビーケージャパンホールディングス 野村一裕 社長

「クーポンの使用率が上がっているのが現状でありますので、だいぶ(価格に)敏感になられていると思います。ハンバーガーというのは、楽しくおいしく食べていただきたいと思いますので、そこで価格面に対する不安が出てきてしまうと、その楽しさというものが少し軽減してしまうのかな、というところが少し懸念点ではあります。われわれの今のブランドのステージからしますと、まだ200店そこそこしかないので、競合と比べて圧倒的にまだ店舗数が少ないんです。われわれのことを多くの方々が知っている状況で、近くにお店があるという状態が作れているのであれば、もしかしたらこのタイミングで値上げをするべきかもしれないんですけど、お客様に足を運んでいただく距離が他社さんと比べて3倍4倍あり、努力して来てくださっているお客様もたくさんいらっしゃるので、そのお客様に対して、『はい、値上げしました』ということはわれわれとしては避けたい、というところですね」。

社長みずから出店候補地を視察

Q 賃上げへの道筋は?

ビーケージャパンホールディングス 野村一裕 社長

「われわれは200店舗が使う材料の量しか買えないですけど、ほかのライバルは1000店、2000店、3000店のレベルで買っています。そうすると1個の単価ってどんどん下がっていきますよね。われわれはまだそういうバイイングパワー(購買力)や調達力がない。そしてもっと言うと、交渉力も弱い。なので、一つはバイイングパワーを増やすことですね。そのためには、どんどん出店していく。そして利益をどんどん作っていく。そうすることによって、一つのハンバーガーの利益率、利益額というのが大きく変わってくる。値上げをしなくて済んだり、価格を据え置いてより多くのお客様にアピールできる形にもなります。従業員にももちろん還元できますし、いいことしかないですよね。賃金はもう上げたい気満々ですから、経営者としては自分たちと一緒にやっている方々がより潤ってもらうということが、最終ゴールだと思っていますので、そこに行くために日々考えてやっているという感じですね」。

Q 今後の展望は?

ビーケージャパンホールディングス 野村一裕 社長

「デイリーユースみたいな形で、お越しいただいたときは何曜日でも550円、600円、650円という価格でやらせていただいているんですけど、逆に2000円のハンバーガーも売っています。お客様には低価格のものからトライしていただきたいんですが、高価格帯はコストがかかっている分、やっぱりうまみも上がっていく、というところがありますので、そこまでやっぱりたどり着いていただきたい、というのがわれわれの願いです。お客様が『これ、食べたい!』と思っていただけるハンバーガーをどんどん出し続けていくことによって、売り上げも上がっていくというところですので、最終的に味のところにこだわって、そして店舗をどうやって増やしていくか、この2つの軸でやっていきたいと思います」。

みんなのコメント(2件)

感想
匿名さん
女性
2024年4月17日
今マクドナルドのハンバーガーって170円もするんですね。
原材料の高騰を考えたら値上げも仕方がないと思っていましたが、
単価上げて社員の給料上げました!って言われるとちょっと複雑な気分です。
企業としては正しいのですが、末端の消費者からするとそこは知りたくなかったな。
たまに食べたくなるし出せない価格ではないのですが、
今日の放送を見て、こっちはお給料上がってないしわざわざマクドナルドさんに貢ぐこともないかなと思ってしまいました。
提言
デフレ継続
2024年4月17日
自社で価格設定できる企業は良い。
医薬品はお役所に薬価という価格を決められているので、価格を上げられない。
原材料は上がっているのにお役所はそんなこと考えてもくれない。
赤字になっても直ぐに製造を止めることもできない。
お役所が絡むと民間が悲鳴をあげても知らんぷり。
ジェネリック医薬品会社の不祥事はこの事も影響している事も知ってほしい。

担当 「クローズアップ現代」取材班の
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