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愛媛・高知で震度6弱 各地の被害まとめ【動画】

  • 2024年04月19日

4月17日午後11時14分ごろ、豊後水道の深さ39キロを震源とするマグニチュード6.6の地震が発生。愛媛県と高知県で震度6弱の揺れを観測しました。気象庁は揺れの強かった地域では1週間ほどは最大震度6弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。

気象庁によりますと、愛媛県と高知県で震度6弱以上の揺れを観測したのは、現在の震度階級が導入された1996年以降初めてです。

各地の震度
【震度6弱】
愛媛県愛南町、高知県宿毛市
【震度5強】
愛媛県宇和島市
【震度5弱】
愛媛県八幡浜市、大洲市、西予市、内子町、鬼北町、大分県佐伯市、津久見市

愛媛県内の被害を動画でまとめました(4月22日更新)。

愛媛県愛南町(震度6弱)

愛南町外泊地区にある「石垣の里」と呼ばれる集落で、古くから積み上げられていたとみられる石垣が大きく崩れ、住宅の間の細い路地を崩れた石がふさいで通れなくなっている様子が見られました。(4月18日撮影)


高さ2メートルほどある神社の石灯篭が倒れる被害も確認されました。石灯篭が倒れたのは愛南町満倉にある天満神社です。町や地元住民によりますと、神社には鳥居の前に高さ2メートルほどの石灯篭が2つありましたが、そのうちの1つが地震の影響で根元から倒れたということです。(4月18日撮影)


「延命寺」では、境内の複数の墓石が崩れたり、傾いたりしました。本堂の中では、位はいが倒れたり、仏具などが散乱したりして、あさから住職などが片付けに追われていました。吉田学生住職は「地震のあとの光景を見て言葉を失いました」と話していました。(4月18日撮影)


愛南町御荘では、平屋の建物の出入り口付近に取り付けてあった覆いが崩れてバラバラになって地面に散乱していました。所有者の80代の女性によりますと、この建物はかつて喫茶店として使われていたということですが、いまは空き家になっていたということです。(4月18日撮影)

愛媛県宇和島市(震度5強)

特産のみかんの畑でも石垣が崩れるなどの被害が出ています。海岸沿いでは山の斜面に石垣を築くなどして整備されたみかんの段々畑が点在していて、一部の畑では地震による被害が確認されています。(4月22日撮影)


震度5強の揺れを観測した愛媛県宇和島市の南予文化会館ホールで天井の一部が崩れ落ち利用できなくなっています。音楽コンサートや演劇などの会場として使われ、地元の人たちから「なんぶん」の愛称で親しまれています。このホールでは今年度中はほぼ毎週末、催し物の予定が入っていましたが、当面、利用を休止することにしたということです。一方で、文化会館の会議室などホール以外の施設には被害がなく、通常どおり利用できるということです。南予文化会館の西田一洋館長は「天井の崩落がホールの使用中ではなかったので、けがをする人などがいなくてよかった。市民に親しまれた場所なので使えなくなって残念だ」と話していました。(4月19日撮影)


国の史跡、宇和島城は、天守の壁に亀裂が入ったり、天守に通じる道の一部が崩れたりする被害が確認されました。4月19日から市の担当者ら3人がスコップを使いながら、崩れた道の石や土を回収しては、トラックの荷台に積み込んでいました。天守の被害については、今後、国と連携しながら修繕を進めるということです。宇和島市文化・スポーツ課の安藤裕之さんは「宇和島城の被害の状況はきのう把握できたので作業を始めました。いまできる作業をひとつずつ進めていきたいです」と話していました。(4月19日撮影)


宇和島市の小学校では、地震の影響で4月18日から水道の水が濁った状態が続いていて、給食を取りやめて弁当を持参する対応を取っています。宇和島市によりますと、津島町と三間町、吉田町の一部の地域から、「水道の水が濁っている」という相談が複数、寄せられているということです。津島町の北灘小学校では、児童や教職員およそ40人分の給食を作っていますが、地震の影響で水道の水が濁り、安全な給食を提供できないとして、18日から給食を取りやめ、きょうは児童や教職員に弁当を持ってきてもらいました。牧野友美校長は、「子どもたちは不安な毎日を過ごしています。水道水が早くきれいになって、大好きな給食をみんなで食べられるようになればと思います」と話していました。学校では、給食の調理場や手洗い場の水を出しっぱなしにして、濁りをとる作業を続けていて、4月22日から、給食を再開する予定だということです。(4月19日撮影)


国が指定する史跡の宇和島城の石垣が一部崩れたり、史跡内で地割れが起きたりする被害が出ています。天守に通じる道では、一部のところで地割れが起きて3センチほどの段差ができたほか、石垣が一部崩れて、地面に散乱したということです。(4月18日撮影)


宇和島市中心部の袋町商店街では、アーケードの天井や店舗の外壁の一部や瓦が落下する被害が相次ぎました。(4月18日撮影)


番城小学校では、校舎の天井が破損したり、貯水槽から水が漏れたりする被害が出ました。小学校では、4月18日の午前中から6年生が全国学力テストを受ける予定でしたが、施設の被害を受けて、すべての学年で4月18日の臨時休校を決めました。(4月18日撮影)


JR宇和島駅前では、地震の影響で国道沿いの店舗の壁に大きな亀裂が入るなど被害が出ています。この影響で店舗の前の歩道には「頭上注意」と書かれた看板が設置されおよそ15メートルに渡って通行止めとなっています。(4月18日撮影)


総合体育館のメインアリーナの天井が一部崩落し、当面、利用を休止しています。4月29日に全日本大学選抜相撲宇和島大会が開催される予定だったということです。(4月18日撮影)

愛媛県西予市(震度5弱)

城川小学校では体育館の窓ガラスが割れる被害がありました。このほか、目立った被害はなくけが人はありませんでした。西予市内では、三瓶小学校の体育館でも窓ガラスにひびが入る被害が確認されたということです。(4月18日撮影)


西予市城川町にある市の施設「地域づくり活動センター」ではけさ、出勤した職員が施設の屋根の瓦の一部が外れて割れているのを確認しました。割れた瓦は地面に落下はしておらず、けがをした人はいないということです。(4月18日撮影)


博物館では、展示用のガラスケースの上に照明設備が落下しガラスが破損する被害が出ました。(4月18日撮影)

愛媛県大洲市(震度5弱)

大洲市の国道197号線では、4月19日朝から道路に散乱した落石を撤去する作業が始まりました。今後は道路の補修作業や仮設の防護柵の設置したうえで、22日の夕方には通行止め解除を目指すとしています。(4月19日撮影)

大洲市肱川町での空撮です(4月18日午前7時ごろ)
道路の上に岩が崩れたようなものが見えます。道路の下にはフェンスの一部が落ちています。


肱川地区では、一部で断水していて、被災した寺院では破損した水道管の復旧作業が行われていました。大洲市の肱川地区では地震の影響で11戸が断水していて、このうち「陽春院」という寺院でも併設された住宅の台所やトイレの水が出なくなったということです(4月18日撮影)

愛媛県松山市(震度4)

4月17日の地震で震度4の揺れを観測した松山市では、国の重要文化財に指定されている住宅の壁がはがれ落ちる被害が出ました。被害が出たのは、江戸時代末期に3000平方メートルあまりある敷地に建てられた豪農の住宅で国の重要文化財に指定されている「渡部家住宅」です。松山市によりますと、おとといの地震で、家財道具を保管するために使われた倉の外壁14平方メートルと、「米倉」の内壁2.5平方メートルがはがれ落ちたということです。壁はいずれもしっくいでできていて、住宅を保存・管理する団体では、けさから専門の技術者を呼んで被害状況を確認し、修復にかかる費用などについて相談していました。今後、文化庁などの指示を踏まえて修復作業を進めるということです。「重要文化財渡部家住宅保護財団」の渡部浩三理事長は、「これまでも地震や台風のたびに被害に遭ってきました。修復にかかる費用が見通せず、今後が心配です」と話していました。(4月19日撮影)


JR松山駅では、列車に乗れなかった人が運休を知らせる貼り紙を確認したり駅員に運行予定を尋ねて切符を払い戻したりしていました。北海道から姉妹で旅行に訪れた60代女性「運休していることは駅員に教えてもらって知りました。大洲に行くつもりでしたが松山市内の観光に予定を変更しようと思います」。(4月18日撮影)

愛媛県災害対策本部

愛媛県は4月18日午前10時半から、2回目の災害対策本部の会議を開き、被害状況を確認するとともに今後の対応について協議しました。県庁で開かれた会議には中村知事のほか、警察や自衛隊などおよそ50人が出席して、県内の市や町の担当者とオンラインを結んで被害状況の確認が行われました。

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