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愛媛FC 森脇良太選手 J3優勝の要因は「ずばり結束力」

  • 2023年12月05日

3年ぶりのJ2復帰、J3優勝を果たした愛媛FC。
ベテランとしてチームを引っ張った、37歳の元日本代表DFの森脇良太選手。去年、15年ぶりに愛媛FCに戻り、若手とともに、どんな思いでシーズンを戦っていたのか。
その思いを伺いました。
※12月4日(月) 「ひめゴジ!」ラジオ第1(愛媛) で紹介した内容を再編集してお伝えします。

J3優勝、J2復帰を果たした今シーズン。その思いは?

ラジオ「ひめゴジ」に出演した森脇選手
岸本

改めて、J3優勝、J2復帰おめでとうございます!

ありがとうございます!
やっぱり優勝した時ももちろん嬉しいんですけども、優勝していろんな方から「おめでとう」と声をかけて頂くと、「優勝したんだな」という実感がものすごく湧いてきます。ハッピーな気分になりますね。

優勝を決めてから2連敗しましたが、シーズン最終戦は白星で終えました。
最終戦では、森脇選手は先発出場で、前半の45分間プレーされました。
改めて、今シーズンを戦い終えて、率直な感想はいかがですか?

チームは、J3優勝とJ2復帰を今シーズンの目標に掲げて、2つとも達成できて嬉しいと同時に、ホッとしたのが率直な感想ですね。
優勝した後も、優勝チームにふさわしい戦いをしようとみんなでゲームに臨みましたが、そこから2連敗して、結果がついてこなくて非常に悔しかったです。
最後は勝利で終えましたけど、「3連敗で終わるわけにはいかないぞ」と、FC大阪戦はみんなで勝ち星を目指して戦いました。
僕自身も最後の2試合に出してもらって、チームで一緒に戦いましたが、最後の試合はチームの勝利にしっかり貢献できて、非常に嬉しかったです。
やっぱり試合に勝って、ファン、サポーターの皆さんと「やったぞ~」という感じで喜びを分かち合う。これ以上嬉しいことはないです。
喜びを共有できて、最後の試合に勝ってよかったと思いますね。

森脇選手といえば、広島や浦和時代に、J1とJ2の優勝も経験されて、今回は愛媛でJ3の優勝も経験されました。それぞれの優勝に、それぞれの思いがあると思いますが、今回の優勝の味はいかがですか?

(優勝の瞬間は)もう本当に特別な瞬間でしたね。
もちろん広島の時にJ1で優勝したのも、凄く嬉しかったんですけど、少し語弊があるかもしれないですけど、今回J3で優勝した時は、何かそれ以上の感情が爆発した感じがしましたね。 
やっぱり僕自身、若い時に2年間、愛媛FCに期限付き移籍させてもらって、サッカー選手としても、一人の人間としても、育ててもらったクラブだと思っています。そのチームに去年、15年ぶりに戻ってきて、またプレーする機会を与えてもらいました。 今までお世話になった愛媛FCに対し、自分の全てを還元したかったので、そんな思いで2年間戦ってきました。
去年は残念ながら、それを達成することができませんでしたが、今シーズンはみんなの力でそれをつかみ取りたいと思っていたので、(優勝の瞬間は)感情が本当に爆発して、自然と号泣していましたね。
よくみんなに「お前泣いてなかっただろう」とか、「うそ泣きだろう」と言われたんですが、うそ泣きじゃないです。涙があふれるって、こういうことなんだなと思いましたね。本当にみんなでつかんでよかったという思いが爆発しました。

J1からJ3まですべてのカテゴリーで優勝を経験 写真提供:愛媛FC

愛媛FCに恩返ししたい

森脇選手が優勝シャーレを掲げたあとに、後方の選手たちが無反応、いわゆるお約束も披露されましたね?

僕の「すべり芸」ですね(笑)。
本当は「一緒に喜んでもらっていいんだよ」と思って、優勝シャーレを掲げるんですけどね。決して試合前に「優勝シャーレを掲げたときに、シーンとなってね」と伝えているわけじゃないんですよ。
純粋に、優勝シャーレを掲げて、みんなでドッカーンとなるのが、僕の理想なんですけど、なかなか人生思いどおりにいかないのが本音ですよね。
でも本当にあの瞬間というのは、僕にとってはものすごくうれしい瞬間でもあるので、(無反応の)みんなは、あれが本当の思いじゃないってことを、僕は信じたいです。

それは、チームメイトみなさんの森脇選手に対する愛情ではないでしょうか?

僕もどちらかというと、ポジティブに生きていきたいと思っているので、あれは“僕に対しての愛情”だと受け取っていいんですよね?
愛情だと嬉しいなと思って、受け取っているんですけど・・・。
もしかしたら何人かの選手は、本気で無表情というか、そういう選手もいるかもしれませんが(苦笑)。

優勝シャーレを掲げる森脇選手とチームメイト 写真提供:愛媛FC

森脇選手は、かつて愛媛FCがJ2に昇格した初年度の2006年と2007年の2年間在籍しました。去年、15シーズンぶりに愛媛FCに戻ってこられて、どんな思いで、再び愛媛FCでプレーしようと思っていたのでしょうか?

2年前のシーズン、当時J2の京都サンガでプレーしていたんですけど、(シーズン終了後に)契約満了になり、次のチームを探していました。
なかなか決まらない中で僕自身もまだまだ選手としてプレーしたい思いがありました。
そこで、愛媛FCで再びプレーしたいと思っていたので、自分から愛媛FCの方にコンタクトを取って、プレーさせてほしいという思いを伝えました。愛媛FCからも、ぜひ来てもらって、盛り上げて、その経験をチームに還元してほしいということで、プレーさせてもらう機会を頂きました。
若い時に2年間このチームでものすごくお世話になって、いろんなことを教わったので、その恩返しをしたかったんです。愛媛FCのおかげで僕のサッカー人生はここまでやって来られたと思っています。
いろんなタイトル(優勝)を経験させてもらったことを、少しでも愛媛FCに還元したいという思いでこの2年間は突っ走ってきたつもりです。
2年前は、J3への降格が決まり、みんなが悲しい思いをしている時でした。そんな時だからこそ、チームに貢献したかったので、その思いだけで2年間戦ってきた感じですね。

今シーズンを振り返ると、9月下旬の鹿児島戦から3試合白星がない状態で、チームのムードが沈みがちの中、10月15日のホームの北九州戦を迎えました。
その試合前に、森脇選手が「優勝したい気持ちは一旦ロッカーにおいて、試合を楽しもう」と、チーム全体に声をかけたそうですね。あのとき、どんな思いで声をかけたのでしょうか?

チームには、素晴らしい才能を持った若い選手たちがいるんですけれども、(首位を走っている)プレッシャーを必要以上に感じすぎているなと。
それがプレーにも影響して、ちょっと硬くなっている印象を受けました。
そこで、試合前に話す機会を設けさせてほしいと(首脳陣に)お願いしたんです。
(3試合勝ちがなかった)北九州戦の前が、まさに今、話す時じゃないかと、ここで話さないと僕自身が後悔すると思ったんですよね。
少しでもプレッシャーから解放されるように、楽しむ気持ちを持ってプレーしてもらいたいという思いがあったので、ひと言声をかけさせてもらったんです。
どうせやるんだったら楽しまないといけない、もちろん勝ちたいとか、負けられない気持ちを強く持つことは大事なんですけど、その気持ちが強くなりすぎても、良い方向に行かないこともあるので、「楽しむ」という、本来自分たちがサッカーを始めた時の気持ちを思い出してもらいたいと、お話ししました。

まさに、これまでいろんな優勝をご経験された森脇さんだからこそ言える言葉ですね。

僕もいろんな経験をさせてもらって、やっぱり(優勝の)プレッシャーはかかるんですけど、そのプレッシャーを楽しんだ者勝ちだと思いますし、楽しむ気持ちがないと、試合に出ても、絶対、良いプレーはできません。
そういう経験を少しでも若い選手たちに伝えたい、そしてチームがまた少しでも好転していけばいいなという思いでお話をさせてもらったんですけどね。
この言葉がチームメイトに響いたかどうかは分かりません。
でも、ここで言わないと、僕自身後悔すると思ったので。

MEMO  首位に立つプレッシャーに苦しんだ3試合
6月17日の奈良戦(第14節)から14試合負けなしで、独走態勢に入った愛媛FCだったが・・・。

9月23日 ●0-2鹿児島(第28節)
10月1日 ●2-3富山(第29節)
10月8日 △1-1宮﨑(第30節)
と3試合白星から遠ざかった。

2位との勝ち点差は11から4に。
そんな状況で迎えたホームの北九州戦の前に、森脇選手はチームメイトに向けて語りかけた。
そして、北九州戦は、終了間際の深堀選手の劇的なゴールで勝利。
そこから愛媛FCは一気に5連勝と息を吹き返し、伊予決戦でJ3優勝とJ2復帰を決めた。

中盤で攻守のつなぎ役として活躍 写真提供:愛媛FC

優勝できた要因は?

今シーズンは、若手の活躍も目立ちましたね。

本当にすごいです。
すごいというか、若くて、才能ある選手が愛媛FCにいるので、そういう選手たちがこのチームを支えていってもらわないといけないと思っています。
そういう若い選手たちの活躍によって、チーム力もさらに上がるのではないでしょうか。
今シーズン、本当に若い選手がチームを引っ張ってくれたなと。
谷本選手や深澤選手など入団1年目で、まだ何も分からない状態だったかもしれませんが、そんな中でもチームを引っ張っている姿を見ると、ベテランの僕もまだまだ負けられないなという気持ちと、たくましいなという思いで一緒にプレーさせてもらっていました。

今シーズンの愛媛FCが優勝できた要因はどんなところでしょうか?

ずばり結束力です。
チームワークですよね、それがなければ、間違いなく優勝はなかったと思います。その結束力では、どこのチームにも負けてなかったと思います。

ベテランの力がチームに大きな影響を与えた 写真提供:愛媛FC
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