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夏の大会の前哨戦 ここに注目!決勝をラジオで中継!

  • 2024年05月17日

夏の高校野球の前哨戦!NHK旗の背番号「1」

5月18日(土)に始まるNHK旗高等学校野球大会。甲子園出場をかけた夏の地方大会前、最後の公式戦となります。夏に向け戦力の充実をはかる大会として重要な大会です。直近の公式戦・RKK旗で優勝した九州学院、春の県大会で優勝した文徳、創部51年の歴史で初めての地区大会優勝、2度目のNHK旗出場となった小川工業の3校を新たに背番号「1」を背負う投手に注目してご紹介します。


①直近の公式戦で優勝 九州学院

今月(5月)上旬に行われたRKK旗争奪選抜高等学校野球大会で優勝した九州学院。
準決勝でセンバツに出場した熊本国府に4-1で勝利しています。足が早い甲斐煌之助選手(かい・こうのすけ/3年)などを中心に機動力を駆使したつなぐ攻撃が持ち味です。平井誠也監督(ひらい・せいや)はNHK旗を「夏の優勝に向けていろいろなピッチャーに投げてもらい戦力の層を厚くしたい大会」と位置づけています。

2年生が背負う重みある背番号「1」
今村翔投手

”九学の背番号1。かなり責任が重い番号だと思います。チームを勝たせないといけない”
引き締まった表情で語るのは2年生の今村翔投手(いまむら・しょう)。はじめてメンバー入りをしたRKK旗で背番号1をつけ全3試合に先発しました。「自分のせいで負けたらどうしようと考えてしまうことがありましたが、今では後ろ向きな考えがなくなってきました」

今村翔投手

平井監督は今村投手のメンタルの強さを評価してエースナンバーを託しています。

平井監督

2年生だが責任感が芽生えてきた。ピンチの場面でマウンドで気持ちを表現するし、ここぞというときにいいボールを投げる。体も強く大きくなって、球速も上がった

去年秋の段階では120キロ中盤だった球速が、今では最速136キロ。重りを持ってジャンプするなど、瞬発力を鍛えるトレーニングが実を結びました。自信があるのはキレよく横に変化するスライダーです。「NHK旗では、夏に向けて、熊本工業などの対戦したことがない相手にどれだけ自分の球が通用するか学びたい。長いイニングを投げられるようになりたい」と意気込みます。

今村投手

自分が考えるエースは、味方がミスをしたときにカバーができる投手。そうなるためには気持ちをコントロールしてメンタルの波をもっとなくしていきたい。先輩たちのように信頼されるピッチングを目指します!

チーム情報:秋と春の負けから生まれた意識の変化

秋の県大会決勝でセンバツに出場した熊本国府に敗れ、春の県大会ではベスト8。負けた経験を経てチーム内に意識の変化がありました。
紫垣俊吾主将(しがき・しゅんご/3年)は「秋の決勝で負けて、冬の練習を頑張ったのに春も結果が出なかった。どうしてかチームで考えた末、選手同士での意見の交換が少なかったことに気づきました。春の大会まではしていなかった練習後の選手同士のミーティングを毎回することにして、お互い考え方を深められるようになりました。最近はノックを受けるときにただ受けるのではなくて、どうしたらプレッシャーのかかる本番でミスが出ないかなど、みんなで話し合ったことができている。技術が大きく成長したというよりも、一つ一つの意識の変化が結果につながってきています」と手応えを感じています。

紫垣俊吾主将

②春の県大会優勝 文徳高校

春の県大会ではノーシードから優勝して九州大会に出場。RKK旗でも準優勝と安定した成績を残している文徳。ショートの永見月唯選手(ながみ・るい/3年)を中心に緻密なサインプレーも駆使した堅い守りが持ち味です。森田崇智監督(もりた・たかとも)は「夏の大会に向けて選手層を厚くしたい大会」と位置づけています。

チーム思いの背番号「1」
玉井隆裕投手

「安定感が上がった。変化球は多彩。フィールディングもいい。クイックもうまい」
森田監督はまくし立てるように玉井隆裕投手(たまい・たかひろ/3年)を褒めました。
春の県大会で優勝した時のエースナンバーは別の投手。NHK旗の予選から1番をつけています。監督は、切磋琢磨するなかで”奪った”背番号1だと評価しました。

ただ、そのあと玉井投手に話を聞くと「背番号1はピッチャーなら誰もが目指す番号で、それをつけられるのは感謝の気持ちでいっぱいです。でも、自分一人ではなくて(これまで投手陣の中心だった)福山(喬哉投手/3年)、井上(功一朗投手/3年)の2人と”一緒に”強くなりたいです。この2人が中心の練習になるなか、悔しいというよりは、2人に加えて自分も強くなれば、チームとして勝ち上がるのがより楽になると思って頑張っていました」とチーム全体を見た視点で穏やかに話しました。

玉井隆裕投手

投手陣のランニングでは先頭を引っ張って走り、積極的に仲間に声をかけていました。

先頭が玉井投手

成長のカギは”絞った球種”

成長のきっかけの一つが、チーム内の紅白戦で結果が出なかった時期に森田監督から受けたアドバイスです。

玉井投手

これまで7種類の変化球を持っていたんですが、多すぎてキャッチャーもリードしにくくなっていました。監督からストライクゾーンで勝負ができる変化球を一つ作れば、もっとリズムよく投げられるようになると教えてもらい、打者が打ちにくそうなシンカーを磨きました

ストレートに近い軌道で打者に向かっていき、最後に沈むボール、シンカー。それを駆使して打たせてとるテンポのいいピッチングを自分のものにしました。NHK旗でもテンポ良く抑えて守備のリズムを作ることを目標にしています。

体をひねり、スリークォーターとサイドハンドの中間からボールを投げる

チーム情報:春の九州大会で得た課題

県大会を制し、九州大会に出場したことしの春。高いレベルの学校と対戦するなかで、”タイミングを外されてもヒットにする力”に差を感じたと監督や主将は話します。
林田歩弓夢主将(はやしだ・あゆむ/3年)は「自分たちは、追い込まれて変化球がくると、タイミングや体勢を崩されて凡打になってしまう。それをなんとかヒットにする力をつけたいです。そのためにフリーバッティングではボールを低めに設定して早めにタイミングをとったり、ティーバッティングではバットに当たる瞬間までできるだけ余分な力を入れない意識をして、対応力を高めています」と話します。NHK旗では、テーマとしている”どう打線をつないでいくか”に注目です。

林田歩弓夢主将

③創部51年の歴史で初めての城南地区大会優勝!
小川工業高校

城南地区大会(NHK旗の予選)の初戦、甲子園出場経験がある秀岳館高校に9回サヨナラ勝利。勢いに乗ったチームは創部51年目で初めての城南地区制覇を果たしました。県の選抜選手に選ばれている西口晃嗣主将(にしぐち・こうし/3年)と急成長を遂げたエースの田川明寛投手(たがわ・はるひろ/3年)を中心としたチームで、長い部の歴史のなかでも2度目のNHK旗に挑戦します。

仲間に支えられた背番号「1」
田川明寛投手

”田川なら絶対抑えられるけん!”
「一緒にブルペンで投げるときに毎回そう言ってくれた倉田さんの言葉が忘れられません」
NHK旗の予選で全試合に登板し、決勝までの全4試合で好投。チームの軸へと成長し、初優勝に大きく貢献した田川明寛投手(たがわ・はるひろ/3年)は、1学年上の先輩でよく声をかけてくれた倉田さんのことばを噛みしめるように話しました。

1年生のときは肘のけがでほぼ野球ができず、再発も経験。苦しい時期を過ごしました。2年生の秋ごろから本格的に試合に出始めたことから、先輩や同級生からたくさんのアドバイスをもらったといいます。今回背番号1を背負うのもチームメイトの投票の結果です。「チームメイトには本当に支えられています。城南地区大会でもたくさんヒットを打ってくれて」と感謝や謙虚な姿勢を忘れません。

田川明寛選手

 野球部の指導者をはじめ「いろいろな人から教えてもらって投げられるようになった」という得意球がスローカーブ72キロを計測したこともある大きく弧を描く遅いカーブです。

ストレートの球速の平均がおよそ120キロと決して速くないなかで、打者に対してできるだけ速く見せるにはどうしたらいいか。緩急をつけて打者を打ち取るために習得しました。

田川投手

リリースした瞬間、自分の視野からも消える軌道なのでコントロールが難しいです。手首を内側に曲げて指パッチンをするイメージで練習を重ねました

予選中「田川なら抑えられる」といつも励ましてくれた倉田さんに連絡をしました。
「やっと田川の時代が来たね」とひとこと。
けがを乗り越えて挑む最後の夏へ。大きく弧を描くスローカーブに注目です。

チーム情報:攻撃の中心 西口晃嗣主将

1番打者を務める西口晃嗣主将(にしぐち・こうし/3年)は熊本県の選抜選手に選ばれてます。バッティングの持ち味は「ファーストストライクから迷いなくスイングをして、低い弾道で二遊間を抜くバッティング」です。NHK旗の予選、初戦の秀岳館戦では9回裏のサヨナラタイムリーヒットを含む4安打。松本大介監督(まつもと・だいすけ)も「西口が出塁したらどうホームに帰すか西口の前にどうランナーをためるか。それを軸にチームは攻撃する」と大黒柱として期待を寄せています。

西口晃嗣主将

5月26日(日)10時~ 決勝をラジオで中継!

夏の前哨戦となるNHK旗高校野球大会の決勝は5月26日(日)10時から。試合の模様をラジオで中継する予定です。ぜひお聞き下さい!

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