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参院 徳島高知選挙区 補選 カギを握るのは「投票率」

  • 2023年10月06日

 

10月22日に投開票が行われる参議院徳島高知選挙区の補欠選挙。
徳島・高知ともに課題となっている「合区」での投票率について、そして若者の政治参加と投票率の向上を呼びかけようというイベントを取材しました。

「合区」での投票率は低く

徳島県と高知県は参議院選挙のいわゆる1票の格差を是正するため、2016年に合区が導入されました。
いわば、人口が少ない隣の県どうしを1つの選挙区にしてしまおうという制度ですが、県庁所在地の徳島市から高知市は、高速道路を使っても2時間あまり、JRでは最も早くて、約2時間半かかります。今回、補欠選挙で立候補した2人はいずれも高知出身。
徳島の投票率の行方は焦点の1つになっています。

合区の導入からこれまでに、参議院選挙は3回、行われました。
この3回の投票率を見ると、徳島と高知のいずれかが全国最低となっています

 

このうち、候補者がいずれも徳島出身だった2016年は、高知の投票率が全国最低に。
一方、有力候補が高知にゆかりのある顔ぶれだった2019年は、徳島が最も低くなりました

今回、地元出身者の立候補がなかった徳島県の選挙管理委員会は危機感を抱いています。

徳島県選挙管理委員会 小島周一郎 書記長
「投票率低下の可能性があることは認識しています。SNSを活用して若い方も含めた有権者に投票があることを周知して、啓発にしっかり取り組んでいきたい」。

徳島の有権者

それぞれの地域の特性の問題ある。私たちの声が届きにくくなる不安はあります。

徳島の有権者

でてる人の人柄とかよくわからない。

高知の有権者

一般的に考えるとやっぱり遠い。高知は高知、徳島は徳島。

高知の有権者

もちろん別々のほうがいいが、人口の問題があり、しかたないのかなと。

無効票の多さも課題

気になるデータは、ほかにもあります。「無効票」の多さです。
投票用紙に何も書かなかったり、候補者以外の別の人の名前などを書いたりした場合、無効票となります。
徳島高知選挙区の無効票の割合を見てみると2016年の選挙では高知が、2019年は徳島が全国で最も高くなり、いずれも全国平均の2倍を超える水準でした。

 

こうした状況について、地方自治に詳しい専門家は次のように指摘しています。

地方自治に詳しい徳島大学総合科学部 小田切康彦 准教授
「都道府県単位で物事を決めて進めているのが伝統的に続いているので、選挙制度だけがお隣とまたがるというのが、非常に住民にとって違和感があり、実態にそぐわない。合区にすることによって1票の格差が解消されているという側面はあるが、今後どうしていくべきか実証を踏まえた議論にしていくことが非常に重要ではないか」

若者の政治参加を促すイベントも

投票率の低下が課題となる中、行われる合区での補欠選挙。
こうした中、若者の政治参加と投票率の向上を呼びかけようというイベントが開かれました。

 

その中で高校生が架空の党のリーダーとなって徳島市の課題解決のために自分たちで考えた政策を訴えました。

皆笑党
党首

イルミネーションを使ったお祭りや、屋台などをたくさん出す

阿波っ子党
党首

僕たちの手で、僕たちの徳島を変えていく

SudaChi党
党首

商店街の活性化についていろんな人が利用できるコミュニティースペースを作りたい。

徳島みらい担党 党首

まず一つ、高校生が遊ぶ場所を求めている。大きな公園だとか、遊べる施設を1つつくりたい。

どないかせん党 党首

新たな夏の風物詩として爆誕させるのは、マリンスポーツIN小松海岸です。

城党 党首

東新町商店街にも一部の空き店舗を、自習室やフリースペースにすることで、より多くの人、特に学生が来ると考えられます。清き1票を!

会場では買い物客や同じ世代の若者などおよそ200人がスマートフォンを使って投票に参加。
その結果、街に活気を取り戻すため、広い公園をつくることや、商業施設の誘致を訴えた城南高校の長尾光一朗さんが、最も多くの票を集めました。

リーダーに選ばれた長尾さん。1票を投じることの重要性を呼びかけました。

長尾光一朗さん
「若者が投票していかないと、若者の意見というのはとうたされて、通らなかったりすることが多いので、投票に行くように言いたいと思いました」

合区のもとで投票率が極めて低くなっているということですが、投票で意志表示しないと自分たちの意見は通らないという長尾さんのことばは、県民一人ひとりに向けられたものでもあります。
今回の補欠選挙の結果は、岸田総理大臣の政権運営や衆議院の解散戦略に影響を与えることも予想され、投票率が選挙戦の鍵を握るともいわれています。投票日に向けて、どうしたら選挙への関心が高められるのか。
合区制度そのものの今後を考える上でも、投票率の行方が注目されます。

投票は10月22日

 

投票は10月10日に告示される衆議院長崎4区の補欠選挙と同じ10月22日に行われ即日開票されます。

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