呼吸リハビリとは
COPDで息切れの症状がある場合には、呼吸リハビリ(呼吸リハビリテーション)が有効とされています。呼吸リハビリは、運動療法を中心に、栄養療法、呼吸の練習や介助、セルフケアなど包括的なプログラムで患者の生活の質の向上を目指すものです。
呼吸リハビリ①呼吸介助


呼吸介助は息を吐くときに胸郭を押して圧迫し、呼吸をサポートする方法です。
COPDの人はうまく息を吐き出せず、肺の中に空気がたくさん残っています。こうした状態になると新たに吸い込むことのできる空気の量は少なくなってしまいます。
呼吸介助をすることで、肺のなかにたまった空気を押しだし、新たな空気の入る空間をつくることにより、息切れの症状が改善するのです。


呼吸リハビリ②運動療法


呼吸に合わせて体を伸ばす、腕を回すなどのストレッチ運動を行うと、息切れの症状が改善します。呼吸をするときに使う「呼吸筋」が柔らかくなり、呼吸機能が高まるためです。呼吸筋は腹部や肋骨の間、首のまわりなどにあります。

スクワットやつま先立ちなどで下半身の筋肉を鍛えることも大切です。身体の活動性が向上するため、肺活量が改善し、結果的に息切れの症状の緩和につながります。ウォーキングも効果的です。無理のない範囲で少しずつ1日の歩数を伸ばしていくとよいでしょう。


※症状によって勧められる運動の内容や量が異なります。必ず医師に相談の上行ってください
呼吸リハビリ③自宅でできるセルフケア
(1)口すぼめ呼吸

鼻から息を吸い、口をすぼめながらゆっくりと息を吐きます。できるだけ長く吐き続けると効果的です。無理のない範囲で行いましょう。
COPDの患者さんは気道がつぶれやすくなっていますが、口すぼめ呼吸をすることで気道に内圧がかかるため、気道がつぶれにくくなります。そのため、肺の中に残った空気をしっかりと吐き出すことができます。
※口を強くすぼめると、息切れが強くなることがあるので注意が必要です
(2)呼吸筋のトレーニング器具


マウスピースの部分を口にくわえて使います。息を吸うときに負荷がかかる仕組みになっています。できるだけたくさん息を吐いてから、一気に吸い込むことで呼吸筋が効率よく鍛えられます。目安は30回の呼吸を1セットとして1日2セットですが、自分の体と相談しながら無理のない範囲で行いましょう。一番大切なのは毎日継続することです。