【患者体験談】40代で脳出血 原因は経口避妊薬!?

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脳静脈洞血栓症になったとき -私のチョイス-

脳静脈洞血栓症になったとき 私のチョイス

旅行から帰った夜に突然発症

ヘアメイクアーティスト兼ネイリストのAさん(女性・49歳)。旅行から帰り、自宅のリビングで夫と晩酌をしていた時のことでした。Aさんは、急に左の手足を伸ばしてけいれんを始め、そのまま口から泡を吹いて気を失ってしまったのです。ただ事ではないと感じた夫は、すぐに救急車を呼びました。5分後、救急車が到着し、Aさんは病院へ搬送されました。

脳静脈洞血栓症 その原因は

脳のCT検査の結果、Aさんは「脳静脈洞血栓症」によって脳出血を引き起こしていたことがわかりました。

脳静脈洞血栓症

脳静脈洞は、脳の中を巡った血液が脳から出ていく前に最後に集まってくる場所です。脳静脈洞血栓症は、その静脈洞が血栓で詰まってしまう病気です。脳静脈洞が詰まると、脳から出られない血液がどんどんたまり、脳が圧迫されます。その状態が長く続くと、血管が破裂して脳出血が起きるのです。
患者の多くが20~40代の女性です。その理由として、経口避妊薬(ピル)の使用が考えられています。経口避妊薬は、避妊だけではなく、月経周期の安定や月経過多・生理痛の軽減に使用される大変有用な薬ですが、薬に含まれる女性ホルモン(エストロゲン)には、血栓を作りやすいという副作用があるのです。

Aさんの場合も、脳静脈洞に血栓ができた原因は、旅行中の生理を遅らせるために10日間のんでいた経口避妊薬(中用量ピル)だと考えられました。Aさんは、薬の副作用について知らずに経口避妊薬を使用していたのです。

脳から血栓を取り除く

脳静脈洞に詰まった血栓を取り除くため、「カテーテル治療」が行われました。足の付け根からカテーテルを入れ、静脈洞に詰まった血栓を金網のようなもので引っ掛けて取り除くというものです。出血の量がそれほど多くなかったため、手術は行われませんでした。

リハビリで奇跡的な回復

詰まっていた血栓は無事取り除くことができましたが、Aさんには後遺症が出てしまいました。左半身が全く動かず、ひとりでは立ち上がれない状態になってしまったのです。しかし、Aさんはどうしても仕事に復帰したかったため、「必ず元通りの体になる」と信じて必死にリハビリに取り組みました。

「仕事を体で覚えてきたので、リハビリも体で覚えさせようと思ってやりました。どうやったら良くなる?何をやったらいい?と毎日違う先生にいろんなことを聞いてやりました。」

その結果、Aさんはわずか2か月のリハビリで奇跡的な回復を見せました。間もなく仕事にも復帰する予定です。

この記事は以下の番組から作成しています

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