認知症の人に安心してもらう接し方(日常生活・ひきこもったとき)

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セルフケア・対処認知症物忘れをするうつ状態が続く意欲の低下脳・神経

日常生活での接し方のポイント

日常生活での接し方のポイント

認知症の人は、不安を抱えながら生活しています。ですから、普段の接し方では、いかに安心感を持ってもらうかが重要です。
認知症の人に話をするときには、話の内容を理解しやすいよう、ゆっくり優しい言葉で話すように心がけます。その際、相手の手を軽く握って笑顔で話しかければ、より安心感を持ってもらえます。
短く簡潔に話すことも大切です。一度に2つ以上の手順を含む内容を話すと、認知症の人は混乱してしまいます。たとえば、外出するときは、まず「着替えましょう」と声をかけ、着替え終わるのを待ってから「出かけましょう」と話すようにするなど、1つ1つの手順ごとに話しかけましょう。
話しかけるタイミングもポイントです。認知症の人は、次に何をすればよいかがわからなくなると、戸惑って不安に襲われたり、自信を失ったりするので、先回りして伝えるよう心がけましょう。無理に考えさせようとせず、道に迷いそうな時には「そこを右に曲がると家だよね」などとさりげなく声をかけるとよいでしょう。認知症の人が迷ったり失敗したことに対して、非難しないことも大切です。

ひきこもったときの接し方のポイント

ひきこもったときの接し方のポイント
ひきこもったときの接し方のポイント

認知症が進行すると、外出するのが億劫になり家にひきこもってしまう場合があります。ひきこもる背景には、必ず理由となる心情があるので、それを理解することで対処法が見えてくることがあります。
認知症では、初期の段階から意欲低下が表れ、進行するにつれて程度が強くなる傾向にあります。自分の思い通りに物事が進まないことが増えるため、自信を失ったり不安が大きくなって、趣味や活動をやめてしまうこともあります。このような兆候があったときは、理由を探り解決策を考えましょう。
たとえば、趣味の家庭菜園をやめてしまったある男性の場合、種の購入や、適切な時期と場所に種をまくという作業が複雑で、家庭菜園を続けることが困難になったことが原因でした。そこで、奥さんが手間のかからない苗を購入し、一緒に苗を植えることで、再び家庭菜園を楽しめるようになりました。
このように、周りがサポートを工夫することで、認知症の人が趣味を続けることが可能になることがあります。

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    知っておきたい 認知症「どう接するか」