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NHK金沢・石川WEBノート

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金沢で暮らすインドネシア人留学生 ムスリム ハラル対応も

  • 2023年11月07日

石川県内のインドネシア人はこの10年でおよそ2.8倍に増え、今では1000人近くが暮らしています。工場や漁業の現場で働く人も多い中、留学にやって来る学生も増加していることが分かりました。インドネシアの学生のなかで、金沢の人気が高まっているといいます。その背景を取材しました。
(金沢放送局 記者 松葉 翼 , キャスター 高畠 菜那)

2023年10月に金沢市役所で開かれた「国際交流まつり」。石川県内に住む外国人が、母国の料理や雑貨を販売するこのイベントに、インドネシアから来た留学生たちがブースを出店し、手作りの料理や日用品を販売していました。

魚のすり身を揚げたインドネシアの定番料理「バタゴル」

この留学生たちが通う金沢大学では、15年前の2008年にインドネシアの大学と交流協定を結び、100人あまりが留学しています。

学生たちはインドネシアでもトップクラスのエリート。コンピューターを使って新たな薬の開発などを行う計算科学の研究を進めています。

こちらの研究室に在籍する17人の学生のうち、半分以上の9人を占めるインドネシア人留学生。研究の発展に欠かせない存在となっています。

インドネシアの留学生は皆熱心ですね。新しい分野を積極的に勉強して、研究に活かしています。大学の研究の発展に貢献しています。
(金沢大学 理工研究域 数物科学系 長尾秀実 教授)

なぜ、金沢大学に多くの留学生が集まるのか。研究室の外にも理由がありました。

こちらはイスラム教を信仰するインドネシア人留学生のための礼拝室。いつでも利用できるよう研究室と同じフロアに用意されました。

また、食堂ではイスラム教の戒律に従って豚肉などを使わない、いわゆる「ハラル」に対応したメニューの提供など、過ごしやすい環境整備が人気を高めています。さらに、留学生が増加することで街にも変化が現れました。

留学生の中には家族を連れて来日するケースも少なくありません。こうした家族のために大学の近くにはインドネシアの食材などを扱う店も2年前にオープン。この日も留学生の妻が買い物をしていました。

金沢大学の近くにみなさん住んでいらっしゃるので、少しでも役に立てたらと思って店を始めました。今後もみなさんの生活を支えていきたいです。
(インドネシア食材店 店主 ハサナさん)

留学生のための環境作りが大学を中心に金沢の街にも広がっています。留学生は今後も石川県に暮らし、母国の後輩にも金沢への留学をおすすめしたいと話します。

ヘルミア ジャイヌンニシャ さん

ちょっと寒いけれど金沢は住みやすいし、インドネシア人にとって暮らしやすい環境が整ってきているので、卒業後働くなら石川県がいいかなと思っています。大学は留学生たちのサポートも厚いので、インドネシアの学生には金沢への留学をおすすめしたいです。

  • 高畠菜那 Nana Takabatake

    NHK金沢 キャスター

    高畠菜那 Nana Takabatake

    2022年からNHK金沢のキャスター。
    大学時代にはアイルランドに留学。英語を駆使して県内の外国人を取材。

  • 松葉翼 Tsubasa Matsuba

    NHK金沢 記者

    松葉翼 Tsubasa Matsuba

    2020年入局。
    ベトナムやインドネシアなど東南アジアから石川県に来た外国人を継続して取材。

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