北陸新幹線3月開業へ 加賀市は不安?関西方面のアクセスは?
- 2023年08月30日
北陸新幹線の金沢・敦賀間の開業日とダイヤの概要が発表されました。
開業への期待が高まる一方、地元の観光地からは不安の声が聞こえてきました。
(NHK金沢放送局 山﨑里菜, 松葉翼, 園山紗和, 時國瑠花)
開業日とダイヤが明らかに
JR西日本の長谷川一明社長は、2023年8月30日に福井市で記者会見を開き、北陸新幹線の金沢・敦賀間の開業日を来年(2024年)3月16日の土曜日だと明らかにし、ダイヤの概要を発表しました。
停車駅が少ない「かがやき」は金沢・敦賀間で9往復が運行し、このうち福井のみに停車する列車が5往復、福井に加え、小松、加賀温泉、芦原温泉、越前たけふのいずれかに停車する列車は4往復となっています。
停車駅が多い「はくたか」は、金沢・敦賀間を走る5往復全てが各駅に停車します。
石川県内の駅では、小松駅と加賀温泉駅はいずれも「かがやき」が2往復、「はくたか」が5往復停車することになります。
「つるぎ」は25往復の運行で、福井駅のみに停車する列車が9往復、金沢駅と敦賀駅の間の各駅に停車する列車が16往復となっています。
一方、現在金沢と大阪を結ぶ「サンダーバード」や金沢と名古屋を結ぶ「しらさぎ」は敦賀止まりとなることが決まりました。県内と名古屋や関西方面を行き来するには乗り換えが必要となります。特に大阪から和倉温泉へは、今は直通の特急で行くことが出来ますが、新幹線の開業後は敦賀駅と金沢駅で2回乗り換えることになります。所要時間については、現在と比べて金沢と大阪間で22分、金沢と名古屋間で16分短縮するということです。
期待が高まる地元の声は?
北陸新幹線の敦賀延伸で小松駅や加賀温泉駅にも「かがやき」や「はくたか」が停車することが発表されたことについて、小松駅を利用する人たちからはさまざまな声が聞かれました。
小松駅から「かがやき」に乗りたい!
おじさんが埼玉県から早く帰ってこれるようになるのでうれしい。
空を飛ぶ飛行機と違って、新幹線は陸を走るので、さまざまな風景や景色を見ることができます。東京に行くにはなるべく北陸新幹線を使いたいです!
勤め先が金沢なので、通勤で新幹線が使えたらいいですね。
期待の一方、もどかしさも…
北陸新幹線の加賀温泉駅が開業する、地元加賀市の宮元陸市長です。新幹線の開業には喜びを感じながらも、もどかしさがあるといいます。
加賀市にいよいよ新幹線がやって来るということはとても感慨深い。地元でも開業への機運も徐々に高まってきています。このチャンスを何とか加賀市への誘客にいかしたい。
一方で、東京と加賀温泉との直通列車が1日7往復にとどまったことついて尋ねると…
2015年の金沢開業に比べると非常に少ない本数で、ある意味、青天のへきれきで驚いている。一方、大阪方面から加賀温泉駅に来るには乗り換えが必要になります。関西からのお客さんを維持できるのか非常に心配な部分もある。相当な努力が必要だ。
不安を抱える観光地
北陸新幹線の開業に向けて加賀温泉郷をPRしている女性グループです。新幹線が加賀温泉に停車することに期待を寄せながらも不安を感じているといいます。
新幹線の開業に合わせて、たくさんの観光客を出迎える準備をしてきましたが、関西方面からの客足が遠のくことをとても心配しています。車や高速バスで訪れる客にも期待しています。
新たな新幹線の開業に期待が高まるなか、取材をしてみると不安の声も聞こえ、さまざまな課題が見えてきました。来年春にせまった北陸新幹線の金沢・敦賀間の開業。石川県全体をどう盛り上げるのか注目です。