上越新幹線開業間近北陸地方への影響は？金沢富山

2023年08月30日

大宮駅と新潟駅を結ぶ上越新幹線の開業間近、新幹線が通らない石川県や富山県でも、東京へのアクセスが便利になることから、開業への期待の声が上がりました。一方、当時の国鉄の経営難や在来線のサービス低下を心配する声もありました。1982年11月11日のリポートです。

（編集：金沢放送局記者松葉翼）

日本海側の新交通時代幕開け

日本海側と太平洋側を結ぶ上越新幹線の開通まであと4日。日本海側の新しい交通時代の幕開けも間近です。上越新幹線は昭和46年12月に工事が始まり、1兆7000億円という巨費と11年間もかけた大事業です。この巨大な建設費は借入金で、この借金の返済とこれからの国鉄の経営が注目されるなかで、上越新幹線が開通するわけです。

（国鉄富山駅の利用者に声を聞くと…）

待望の新幹線の開通でしょ。まことに結構ですよ。それ以上に何も言うことありません。

東北新幹線もですが、まだ大宮乗り換えというのはちょっと抵抗を感じますね。

（東京で）昼からの会議だったら間に合うので非常に便利だと思います。明日も午後1時から会議がありますが、もし開通していたら明日の朝に発てたのにと思います。

(1982年11月)15日からは北陸線のダイヤが改正されます。上野直通の特急「はくたか」と急行「越前」が廃止され、新しく特急6本が運転されます。

これらの列車を利用して上越新幹線に乗り継ぎますと、富山と上野の間が4時間49分、金沢と上野の間が5時間36分となり、北陸と東京との間は近くなります。

上越新幹線開業の影響は？

Q　上越新幹線の開業で在来線が不便になるということはありませんか？

（国鉄金沢鉄道管理局浅井旅客課長）
対東京の夜行列車が1本減る、あるいは昼間の特急で「はくたか」が2本無くなるという面はございますが、全体として見ますと、対東京へのルートというものは現在の8本の列車から、接続を含めまして、全部で13本になるということで、私どもは便利になると思っています。立派な新幹線を作らせてもらいましたので、高い建設費も払っていますので、ぜひご利用いただきたいと思っています。