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少子化のなかかほく市で子どもが増えている!!その秘密は?

  • 2022年11月11日

2022年11月放送


 

上の図は2022年5月時点の子どもの数を、2021年との比較で表しています。
青が減少 赤が増加です。
ほとんどが青となっている一方、小松市とかほく市は赤つまり増加しています。
このうち、かほく市の増加は40人と県内最多そして、増加は5年連続です。

なぜ、かほく市で子どもが増えているのか。
そこには、子育て世帯への手厚い支援策がありました。

かほく市で暮らしている高井さん一家。
去年春、17年暮らした横浜市から移り住みました。
ボイストレーナーとして活動している妻の彩綾さん。
移住のきっかけは新型コロナウイルスの感染拡大で仕事をオンラインに切り替えたことでした。

自宅は賃貸の木造2階建て 5LDK です。
かほく市を選んだ大きな理由は、この広さの住宅に、安く住めることでした。
月の家賃は、8万5000円ですが、移住者向けの助成金2万円を受け取っています。
横浜市の家と比べると、同じ家賃で4倍の広さになりました。 子育ての環境にも満足しています。
仕事にゆとりを持てるようになり家族で過ごす時間が増え、2人の子どもたちも生活を楽しんでいると言います。


子育て世帯の移住もあり、子どもの数が増えているかほく市。
学校には変化が見られます、市内にある外日角小学校です。

6年生が51人なのに対し、1年生は86人。
実に1.7倍
学年が低くなるほど、児童の数が多くなっています。


人口3万5000人余のかほく市。
多くの自治体と同様、少子化で子どもは減り続けていました。
なんとかこれを食い止めようと、市は12年前、子育て世帯への支援を 大幅に強化しました。

このうち住宅に対しては、移住してくる世帯に月2万円を最大24か月を支援。
市内で新築を購入した人には、最大200万円を支援しています。
新築住宅への支援は1900件の実績があり、移住者を呼び込む柱になっています。


この日、かほく市に移住してきた人たちの意見交換会が開かれました。

いずれも小さな子どもたちがいる「子育て世帯」です。

参加者たちが移住の決め手にあげたのも、住宅への支援でした。
子育て世帯に楽しく暮らしてもらおうと、市は施設の整備にも力を入れています。

2021年春、市内にオープンした子ども専用の屋内施設です。
幼児の遊び道具や大型の遊具、それにアスレチックまで整備され人気を集めています。

市の体育館を改装したこの施設、市民は無料で利用できます。


子育て世帯に選ばれる街にあったかほく市。
地方で暮らしたいというニーズをこれまで以上に取り込んでいきたい考えです。

VTRで紹介した新築住宅への最大200万円の奨励金のほかには、 賃貸住宅に入居する新婚の夫婦に月1万円を支援する事業などもあります。
「子ども医療費助成」は18歳までありますし、不妊治療の全額助成もあります。

当時の市への取材からは「将来推計をみて出来る範囲でやっているので当分の間は続けられる」 と説明しています。
子育て世帯は働く世代でもありすので、税収の確保につながると考えています。
ただ、少子高齢化の影響で全国的な問題で、かほく市でも人口減少は進むだろうと していて、一連の施策によってそこをどうやって食い止められるかがポイントだろうとしています。

  • 結川弥生

    NHK金沢 ニュースディレクター

    結川弥生

    子どもと大相撲と犬が好き! 
    主婦目線を生かしてビビッと感じたものや 県内で頑張っている人たちを取材しています。

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