ページの本文へ

かごしまWEB特集

  1. NHK鹿児島
  2. かごしまWEB特集
  3. かごしま国体 開会式に佐賀の高校生アナウンサー

かごしま国体 開会式に佐賀の高校生アナウンサー

  • 2023年10月11日

 

開会式のアナウンスも"双子の大会”で

7日に行われた「かごしま国体」の総合開会式。高校生アナウンサーが進行役を務めていたことをご存じでしょうか? 今回、3人のうち1人は佐賀県の高校の放送部員でした。新型コロナがなければ、もともとは、ことし国民スポーツ大会が開かれる予定だった佐賀から招かれた高校3年生の物語です。

(鹿児島放送局・松尾誠悟記者)

佐賀から訪れた高校3年生

 

開会式は桜島を背景に盛大に行われた

華やかなオープニングプログラム、炬火による点火、選手宣誓、それにブルーインパルスの祝賀飛行…。感動的な総合開会式で爽やかな声を響かせていたのが、高校生アナウンサーの3人です。その1人、佐賀清和高校の副島葉月さんは3年生。NHK杯佐賀県大会で、去年から2年連続で最優秀賞し、ことしの全国大会でも優良賞を受賞しました。高校生アナウンサーは、通常、開催県から選ばれますが、今回、副島さんも招待されました。鹿児島はいわば開催の順番を「譲ってもらった」経緯があるうえ、2年連続での九州開催となり、鹿児島、佐賀では“双子の大会”と位置づけているのです。

副島葉月さん

鹿児島の高校生がする枠を1つ佐賀に譲ってもらい、自分がアナウンスをする機会ができてすごくうれしい

方言をめぐって鹿児島の高校生と交流

 

1週間前本番どおりにリハーサル

開会式の1週間前、本番のスケジュール通りにリハーサルが行われました。そのリハーサルの合間…副島さんは、一緒に高校生アナウンサーを務める鹿児島の2人から、方言について教わっていました。

副島葉月さん

きばいやんせって、頑張ろうってこと?

鹿児島の高校生

うん

副島葉月さん

頑張って! きばれ! という意味か

 

鹿児島の高校生

チェストもその意味があるよ

副島葉月さん

え? そうなの? カタカナのイメージしかないから

張り詰めた空気のなかで、大役を務める高校生どうしが、地元・鹿児島の方言をめぐって会話を弾ませている様子は、私にとっても、非常にうれしい光景でした。

ギリギリまで受験勉強とアナウンスの準備

 

副島さんは受験を控える高校3年生

開会式前日の今月6日。私は、高校の放送部の顧問の先生と、副島さんが泊まっているホテルの部屋を訪ねました。さぞ、開会式の準備に忙しいだろうと思っていましたが、副島さんが熱心に行っていたのは、台本の確認ではなく、勉強でした。今月中に大学受験を控えているということでした。もちろん、台本のチェックも怠りません。ギリギリまで大忙しの様子でした。

副島葉月さん

忙しさを楽しんでやっている感じです。ふだんだったら、高校生アナウンサーは、この年はここの県っていう感じなんですけど、今回は、鹿児島も佐賀も関わりが深い大会なので、意識したいです。感謝と楽しむ心を持って頑張りたい

大役を務めあげる!

 

放送ブースから手をふる式典アナウンサーたち

副島さん、7日当日の一番の大仕事は選手団入場のアナウンスです。北海道から順々に選手団が入場していき、46番目に佐賀県が入場すると、「佐賀県では来年第78回、国民スポーツ大会、SAGA024が開催されます」と晴れやかに紹介していました。そして、開催県の鹿児島の選手団については「最後の入場は地元・鹿児島県選手団。1002名」という声が響き渡りました。副島さんの「皆さま行進する役員・選手の皆さんに、最後まであたたかいご声援をお願いいたします」というアナウンスで締めくくられ、副島さんは、大役を無事に成し遂げました。

副島葉月さん

緊張もしたんですけど盛り上げよう、楽しんでもらおうっていう気持ちが強かった。一生に一度の経験だと思うし、本当にこのかごしま国体に関わることができて心の底からよかったと思っています

国体は、都道府県どうしの争いですが、その垣根をこえて大会を盛り上げようとする気持ちに、私もほっこりしました。鹿児島の選手とともに、佐賀の選手も応援してみたくなりませんか?

副島さんは地元・佐賀の選手団を紹介した

 

  • 松尾誠悟

    NHK鹿児島放送局 記者

    松尾誠悟

    2020年入局。災害担当のかたわらスポーツや医療など幅広く担当。大学時代は学生記者でアメフトなど8つのスポーツを取材してきた。ギョーザとビールを愛する25歳。

ページトップに戻る