ページの本文へ

かごしまWEB特集

  1. NHK鹿児島
  2. かごしまWEB特集
  3. ネコハラを体験できるコワーキングスペース

ネコハラを体験できるコワーキングスペース

  • 2023年02月28日

 

猫たちに作業を邪魔されるこの様子。「猫から受けるハラスメント」略して「ネコハラ」。作業が進まず困りながらも、その愛らしい姿に癒されるとSNSなどで話題になっています。そうした中で、2022年の秋に指宿市に「ネコハラ」が体験できるコワーキングスペースがオープンしたと聞いて取材しました。    (鹿児島局 佐藤妃菜)                     

ネコハラされちゃうコワーキングスペース

猫から受けるハラスメント、「ネコハラ」。最近SNSでは、作業を邪魔するかわいらしい猫の投稿が相次いでいます。

そんな「ネコハラ」が体験できるコワーキングスペースが2022年の秋、指宿市にオープンしました。

コワーキングスペース

ここには10匹ほどの猫たちが暮らしています。営業時間は、猫の生活リズムに合わせて午後3時から9時まで。1時間660円で利用できます。

この日利用していたのは、近くに住む小学生の親子連れとその友人。
学校の宿題をしようと訪れました。

猫たちに邪魔されて、宿題がはかどらないことも多いそうです。

うちの猫はあんまり邪魔してくれないから楽しい

猫と直接触れ合える場所を作りたい

 

猫の爪を手入れする鍵山さん

コワーキングスペースを立ち上げた鍵山めぐみさん。 指宿市でマンゴー農園やカフェを営んでいます。 鍵山さんが猫のとりこになったきっかけは5年前。農園に住みついていた野良猫を保護したことでした。

鍵山さん

最初は野良猫がいても「野良猫がいるな」ぐらいしか思わなかったんですよね。でも猫を飼い始めてから猫に注目するようになって、そうしているうちに最初に飼った子が若くして亡くなってしまって。それからそれまでうちの猫にやってきた分を、ちょっとでもほかの野良猫にやってあげたいなって思うようになりました。

鹿児島県内では2021年度は1000匹以上の猫が保健所などに引き取られています。鍵山さんは、過酷な環境にいる野良猫たちをなんとかしてあげたいと、農園の空きスペースで保護するようになりました。保護した猫は予防接種や不妊去勢手術を受けさせ、SNSで新しい飼い主を募集しています。
 

さらに3年前には、農園の直売所だった場所でカフェをオープンし、サンドイッチや猫のグッズを販売しその売り上げを猫の食費や医療費などに充てています。

 

野良猫は現状厳しい生活を送っている子がすごく多いので、少しでもそういう子の受け入れができる場所が欲しいなと思って。

そうして保護する猫が増えていく中で、鍵山さんは、猫の良さを直接伝える場所を作りたいと
このコワーキングスペースを立ち上げました。

 

人に慣れていくためにも人との触れ合いは必要です。そこで、あえて仕事の邪魔をする猫、「ネコハラ」を体験できるスペースを作って、そこにわざわざ邪魔を受けに来る人はきっとすごい猫好きの人に違いないだろうなって。

保護猫たちの未来をつなぐ場所に

猫の飼い主になりたいという人には、一緒に暮らしたときの環境や相性を見るためにトライアルの期間を設定し、判断してもらっています。

去年は、直接譲渡や仲介など、合わせておよそ70匹の猫に新しい飼い主が見つかりました。鍵山さんは、この場所を通して多くの人に猫の魅力が伝わり、1匹でも多くの猫に新しい飼い主と出会ってほしいと考えています。

 

鍵山さん

この場所の役割として保護猫たちが暮らす場所っていうのが一つの目的としてあります。この子たちがここで暮らすことでそこで交流をした人がお金を落としてくれる。猫たちが自分で生活費を稼ぐ場所というのもある。最終的にはこの子たちが新しいお家を見つけて幸せになってくれればそれでいいんですけど、できたら仲のいいお友達と一緒に暮らせるお家にもらっていただけたらなと思いますね。

 

ページトップに戻る