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広島出身・吉川晃司さんデビュー40年 ふるさとを語る

  • 2024年03月15日

新スタジアムで行われたJリーグの開幕戦。サプライズで登場し、国歌を独唱したのは、広島出身の吉川晃司さんです。吉川さんは、ことしデビューから40周年、ミュージシャンとしての歩みや広島への思いを聞きました。

インタビューに応じてくれたのは国歌を歌ったあとでした。

吉川さん
「どうしても広島弁になるね。周りが広島弁じゃけえ。いい?広島弁で」

広島弁で語り始めたのは、出身である府中町について。

吉川さん
「わしなんか田んぼのあぜ道を通いよったような感じですよ、育った場所がね、このあいだ行って、それこそ水分峡(みくまりきょう)に行ったんじゃが、びっくりしたよ、変わっとってから。逆に鹿はおらんかったのに、このあいだおったん。ほんで、熊も出たらしい」

吉川さんだったら、熊も退治できそうですが…

吉川さん
「いやいやいやいや、どうでしょう。大体ねえ、体格は一緒くらいでしょうね。(1つだけ武器を持つとしたら)まあ、刃物はちょっとずるいことになるじゃろうけぇね、棒?」

圧巻のパフォーマンスで、ファンを魅了し続けてきた吉川さん。
2024年2月、デビューから40周年を迎えました。

吉川さん
「月並みですけど、あっという間というか、もうちょっといろいろできたじゃろうにな、と思いながら、いつの間にかたってしまったって感じですかね、振り返ってみると」

吉川さんには、この40年、心の支えとなってきた、広島の「ある風景」がありました。

仏舎利塔から見た風景
瀬戸内海に浮かぶ島々

吉川さん
「やっぱり広島に、広島の土に生えた自分としては、東京に根は生やしたくないな、という思いはいまだにあって。しょっちゅう仏舎利塔(二葉山平和塔)に行って、あそこから海を見よった。がきのころからよう行きましたけど、あそこには。で、東京に出てきて歌手になって以降も、あそこにはよく足を運んで、瀬戸内海に浮かぶ島々のあの光景が大好きでね。水墨画のような、何というか、何ともいえない趣というか、味わいというか、やっぱり自分のその、こういう絵を見て育ったから、こういう自分になったんだろうなっていう気がする。価値観とか美意識とかもね。じゃけえ、そういう存在ですよ、広島って、自分にとってね」

18歳の時、デビューした吉川さんは、その後、一気にスターへの階段を駆け上がりました。一方、華々しいデビューの裏では、こんな苦労もあったそう。

吉川さん
「あっという間にデビューできちゃったもんだから、そのあと実力で追いついていくのにやっぱり四苦八苦っていうのはあったんですけどね。どっちかっていうと、なんとなく水面下の水鳥のようにですね、すました顔して足だけ一生懸命こいでるみたいな、実際はそういう感じだった。ずっと、あがきっぱなしでしたよ」

吉川さんは、広島出身のアーティストとして、平和へのメッセージも、たびたび発信してきました。そんな吉川さんは、混とんとした今の世界をどのように見ているのか。

吉川さん
「ちょっと前までわれわれは戦後って言っていたけど、いま戦前のにおいがしてきてるでしょう?恐ろしいなと思うよね、なんとかしなきゃね。世界中の知恵を絞って、やっぱり戦争に正義は絶対ないっていうことをね、言ってかなきゃいけないと思いますよ。わしもやっぱり被爆2世なんで、それはやっぱり伝えていかなきゃなという思いもありますね。せっかく歌を歌わせていただいているんで、何か曲を書いたり、歌詞をつくったりするってこともしていけたらなと思いますね」

一方で、表現する人間にとっては、とてもセンシティブな時代になってきたと思いますが…

吉川さん
「そうね、本当にそう思いますね。だから、なかなかちょっと、こじんまりとしないようにはしたいと思いますけどね。何も言わないのが一番得なのは、もう分かってるもんね、みんな。こういう時代になるとね、言わない者勝ち。それがあんまりね、受け入れられにくい性質の人間なんで、難しいなと思いながら、頑張ってやらなきゃと思ってます。そんなたいそうなことは言えないけれども、自分がこの先どう生きるのかということも踏まえつつ、思うことはやっぱりちゃんと発信していかねば」

デビューから40年、来年で還暦を迎える吉川さん。秋からは、全国ツアーを控えています。
最後に、これからの意気込みを聞きました。

吉川さん
「もう1個シフトを還暦シフトに入れて、バーンと。挑戦はしようと思っているんで、もうすでに還暦シフトを、還暦作戦はもう、いろいろ絵図は描いていますよ。発表は、まだまだ先になります。広島が1番盛り上がると思う。言い過ぎたか?ま、いっか(笑)。広島が一番盛り上がってくれると思うんじゃがね」

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