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【全文】サンフレッチェ広島 GK大迫敬介選手インタビュー

  • 2024年01月05日

サッカーJ1、サンフレッチェ広島のゴールキーパー、大迫敬介選手(24)。日本代表でも活躍した昨シーズンを振り返り、新シーズンへの意気込みを聞いたインタビューの全文です。

(NHK広島放送局記者 武田善宏)

大迫選手は去年、初めてJ1の34試合すべてに先発出場し、失点数をリーグで2番目に少ない「28」に抑えて、2年連続の3位に貢献しました。
日本代表でも「ワールドカップの再戦」と注目を浴びたドイツ戦で先発起用されるなど出場機会を増やし、存在感を示しました。
インタビューは長いシーズンを終えた翌日、広島市内で行いました。

声が枯れているが?

きのうの試合で声を出し過ぎました。よろしくお願いします。

趣味のギターは弾いている?

ギターは家で軽く弾くぐらいです。ふとした時に弾いてますね。

シーズンを振り返って?

3位で終われたのはよかったですけど、夏なかなか勝てない時期があったり、なのでもっと安定したシーズンを送れればよかったなというのは思いますね。

自身のプレーは?

全試合まずは先発して、多くの時間で出られたというのはよかったですし、その中で3位をつかみ取れたというのはすごく自信にはなります。

声が枯れるほどコーチングでも引っ張っているように感じるが?

特にきのうはアウェーでアビスパ戦だったんですけど、満員で声がこの距離でも(2メートルくらい)届かないぐらいなので、ほんとにもう叫びすぎて、終わったらこうなっていましたね。

チームを引っ張る自覚も?

上を目指すためには自分もしっかりとチームに貢献しないといけないと思っているのでこうなるぐらいやっていますね。

今季を自己採点するとしたら?

60点、70点ぐらいですかね。

その理由は?

まずは怪我なく、病気することなく、1年間戦えたということは自分のプロの自己管理としてよかったかなと思います。
シーズンを通して、なかなかうまくいかない時期もあったので、そこでもっと自分自身がチームに貢献していれば順位ももっと上だったのかなと思うので、そういうのもあって60点、70点かなと思います。

佐藤寿人さんはチームの年間MVPは大迫選手だと言っていたが?

うれしいですね。なかなかゴールキーパーがそういうので評価されるというのは珍しいことですけど、そういうふうに評価してもらえたのはうれしいですね。

寿人さんは守備範囲が広くなりシュートへの反応がさらによくなったと言っていた。

それは自分の強みでもあると思いますし、そこをそういうふうに評価してもらえたというのは自分の武器を認めてもらえたのかなと思います。

手応えは?

リーグ最少失点とはいかなかったですけど、失点数で言えばJリーグの中で2位というところで、その数字は自分もこだわっていたので、ゴールキーパーとしてできるだけ失点をなくすというところでは、シュートストップのところで貢献できたかなと思います。

シーズン中に意識していたことは?

自分の武器がもともとシュートストップなので、この試合から逆算して、コンディションの感覚だったり、何か足りないのかなと常に考えながら練習に落とし込んでいるので、それをシーズン通してやれた結果だと思います。

印象に残っている試合は?

どの試合も難しい試合でしたけど、夏のなかなか勝てない時期を抜け出したホームの浦和レッズ戦は、最後アディショナルタイムにナッシム選手が決めたときは本当に鳥肌が立ちましたし、上位になれるきっかけになった1つの大きな試合だったと思います。

代表でも活躍した。

日本代表というのは、小さい頃から常に目指しているところですし、プロであるならばそこは目指すべきところなので、ことしはそこを何試合か経験できたというところと、ドイツ代表戦だったりというビッグマッチで出て、結果を出せたというのは自分にとってはすごく自信になりましたね。

代表でつかんだ手応えは?

なんか自分が止めまくって活躍して、という試合はそこまでないんですけど、ただ、ドイツのようなチームと国を背負って戦うゲームに出るだけで、何か根拠のない自信を持って帰ってこられたり、不思議な感覚はすごくあったので、やっぱり代表で出るというのは特別なんだなというのはすごく思いましたね。

かなり自信になった?

なりましたね。久しぶりに試合前から緊張した試合でしたけど、ああいったタレントぞろいの相手に対して、結果を出せたというところは、すごく武器が通用するんだなという自信を持って帰ってくることができました。

ドイツ戦ではとくにどのあたりが自信になった?

あの試合で自分が決定的な仕事をしたという感覚ではないですけど、試合でもちろんミスはありましたけど、ゲームの中で自分の中で試行錯誤しながら修正して、トライし続けた結果、そこでまた結果が出せたので、やってきたことが間違っていなかったんだなというところと、うまくいかなくても、それを修正できる能力が自分にはあるんだなというのは思いましたね。

どこを修正できた?

シュートストップもそうですけど、ビルドアップだったりというところでも、相手が前からどんどんプレスに来るものに対して、うまくかいくぐることもできたので、足元のところは1つ何かきっかけをつかめたと思います。

ビルドアップも自信がついた?

チームで求められていることと代表で求められていることはまた少し違ったり、フォーメーションも違うので、そこに適応していかないといけない。
そういう意味ではまた代表で求められていることに対して、自分がどれだけ対応できるかというところはトライしているところでもあるので、ビルドアップもそうですけど、自分の頭の中で整理しながら味方とまた連携しながらやれているので、そこはすごく手応えを感じています。

エディオンスタジアム最後のホームゲームでの2点も起点になった。

いつもだったら簡単に前に蹴っているようなところも試合前から味方の選手と「少しビルドアップにトライするのでどんどん顔を出してください」というふうに要求していたので、それもあって自分を1つの起点として得点が生まれたのはまた自信となると思います。

ヴィッセル神戸戦で猛烈なプレスをかけられてもキックフェイントでかわしてロングパスにつなげたシーンがあった。

あれもドイツ戦から帰ってきて1発目の試合だったんですけど、その時は首位の神戸を相手に本当に大事な試合だったんですけど、ドイツ戦に出たからかはわからないですけど、すごく自分の中ではリラックスしていて余裕があったので、相手の大迫選手の動きも冷静に見られましたし、そういう意味でも代表はいい効果が出ているのかなと思います。

森保監督は大迫選手は「どんな状況でも成長しようとしている」と評価していた。

代表に行けばやっぱり海外でプレーしている選手が多いので、ピッチ内のことももちろんそうですけど、ホテルでの食事だったり、自分の体の向き合い方だったり、本当に勉強になることばっかりなので、それを自分にうまく落とし込んでまた自分が1つでも成長できるきっかけをつかめればと思っています。

来シーズンは背番号1を背負う。

すごくうれしい半面、責任も感じますね。
広島の1番を背負ってきた歴代の選手は日本を代表するゴールキーパーでしたし、そこの番号を自分が引き継ぐというのはまたそういう目で見られると思うので、ただ、責任を負いすぎずに自分らしく、自分らしい1番像をつけていきたいと思います。

いま考えている1番像とは?

アグレッシブな、守るだけではなくて、攻撃的な守備というところも自分の武器なので、見てもらえる人に楽しんでもらえるような、僕が後ろにいれば安心して見ていられると思ってもらえるような選手になれればと思います。

林選手から手渡されたが、感慨深い?

ああいうふうに直接渡してもらえるっていうのはまた特別なことだと思いますし、自分のいちばん近くの壁だった卓人さんから譲ってもらえたというのはまた特別な思いでしたね。

林選手の背中を見てきた?

卓人さんは口数が多い人ではないですけど、そういうふうに行動で自分たちに背中で示してくれるタイプなので、僕たちはそれを見てまねしながらそれがいい競争になっていると思うので、本当にお手本になる選手ですね。

来シーズンは新スタジアムでプレーする。

まずはエディオンスタジアムをいい形で終われたので、新スタジアムになって見に来てくださる方も見に来やすいと思いますし、自分たちに対しての期待も大きいと思うので、そういう期待に応えられる内容と結果を出せるようにやっていきたいと思います。

来年は?

ことしの積み上げだと思います。
監督がスキッベさんになってからいい結果が出だして、昨年からことしとまた上積みされて、ことしから来年へと、ゼロに戻るんじゃなくて積み上げたものをさらに強化しながら、新しい選手も来るかわからないですけど、そういった選手の力も借りながら年々チームとしてのレベルが上がっていければいいなと思います。

目標は?

チームとしては優勝したいですね。
昨年(2022年)Jリーグカップで優勝しましたけど、やっぱりあの瞬間は本当に最高でしたし、逆にことし優勝できなかった分ほかのチームが優勝している姿を見ると、すごく悔しくて複雑だったので、今度はあそこに自分たちが行きたいという思いはより強くなったので、来年こそは優勝したいと思います。

代表の守護神としても?

日本代表の守護神としてゴールキーパーのレベルは高いですけど、そこを勝ち抜いたらさらに自分が一歩前進した証しだと思うので、広島とそれから日本を代表してゴールマウスを守りたいと思います。

どう成長していく?

いろんな葛藤だったり、課題も多いですけど、そういったものを1つ1つ克服しながら自分自身成長していければと思います。

さらなる成長のための課題は?

ビルドアップのところももちろんそうですけど、もっともっとシュートを止めて引き分けの試合を勝ちに持っていけるようなキーパーになりたいですし、逆に勝ち点ゼロだったものを勝ち点1に持ってくるだけの力は自分にもっと必要だと思うので、そういったものはもっと力をつけないといけないと思います。
それが自分のいちばんの仕事だと思いますし、ゴールキーパーはなかなか点を取る機会がないので、自分が失点しなければ、勝ち点1は取れるというところで、そこに集中できたらいいと思いますね。

大迫選手にとってサンフレッチェの1番のイメージは?

僕は卓人さんですね。

林選手の背中を追いかける?

そうですね。もちろん1番をつけたいとずっと思っていたので、その番号を受け継げたというのはうれしいですし、また、卓人さんも1番をつけて優勝しているので自分も1番をつけて優勝したいと思います。頑張ります。

2024シーズンの目標を色紙に書いてもらいました。
何と書きましたか?

「優勝」ですね。

選んだ理由は?

常にもう優勝というのは目標にしているところではあるんですけど、口にするだけではなくてこうやって書いて目に見えるようにすることでより目指す志ができるのかなと思うので書きました。

優勝への思いはより強くなっている?

昨年はJリーグカップで優勝しましたけど、自分としてはJリーグでやっぱりフルシーズン出て優勝に貢献したいと思うので、まずはJリーグで優勝したいというのと、天皇杯とJリーグカップも優勝をつかみ取りたいと思います。

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