シラベルケーネ!呉 特別編 「クレ」のアクセントは?
- 2023年12月13日
今回はシラベルケーネ!特別編です。みなさんは「呉」をどう呼んでいますか?クにアクセントをつけますか?レにアクセントをつけますか?調べてきました!
(NHK広島放送局ディレクター 西山幸生)
NHK広島放送局 秦ニュースデスクからの疑問
「呉で生まれ育った私は、呉を「クレ」と呼んできましたが、NHKに入ると、アナウンサーや同僚が皆「クレ」と発音するのでモヤモヤしてきました」
NHKでは「クレ」と「ク」にアクセントをおいていますが、「クレ」と「レ」にアクセントをおく方もいらっしゃいますね。今回は呉市に生まれ、2歳まで呉で過ごした西山ディレクターが、先輩のために調べました。
『クレ』なのか『クレ』なのか、まずは、呉市内で調査してみたいと思います。
「『クレ』『クレ』。ご苦労さんです。」
どちらにアクセントをおいて発音するか、シールを貼っていただきました。すると、ほとんどの人が「レ」にアクセントをおいていました。
「『ク』って多分強く言わないですね。どっちかというと上がる感じですね。」
「他の所は『クレの』とか言いますよね。でも地元、本当に昔からいる人は『クレ』」
呉市民の方、100人に聞いたところ、『クレ』と発音されている方は14人、『クレ』と発音されている方は86人ということになりました。
さらに、広島市内でも聞いてみると…
「『クレ』」
「『クレ』」
「『クレ』」
「『クレ』」
「呉市民です(笑)発音で呉人だってばれる」
広島市内で生まれ育った人でも、「レ」にアクセントをおく人がたくさんいたんです。
「普通は『クレ』ですね。広島でも『クレ』言いますよ。」
「大学の時、いろいろな人がいるじゃないですか。で、私が『クレ』って言ったら、「いや、『クレ』でしょう」って言われましたね。大学は県外の人が多かったものですから。広島は『クレ』なんです。」
広島市内で聞きましたところ、『クレ』と発音されている方は49人、『クレ』と発音されている方は51人ということになりました。
この結果をどう読み解けばいいのか?広島の方言を研究している尾道市立大学教授の灰谷謙二さんにお聞きしました。
灰谷さん
「一般的な人達が、2拍の音を初めて聞いてアクセントを付けるならば、『タタ』『クレ』っていうのが言いやすいんだろうと思います。広島近辺だけではない色んなところから人が入ってくるようになると、アクセントも混ざりやすくなっていきますので。そういう人の交流という意味でいうと、より動きが激しかったのが広島市で、地元意識の補強でそれを遠ざけてきたというか、そういう変化を拒んできたのが、地元愛の『クレ』っていうことなのかな。」
では、私たちは「クレ」という発音をどう使っていけばいいのでしょうか?
灰谷さん
「歴史的にある程度守られてきた地名の読み方とかアクセントというのは、尊重してそれを使うことで、その地元への自分自身の関わり方とか、地元の方たちと自分の関係がすごくスムーズになっていきますので、ぜひこの『クレ』というアクセントを身につけていただいて、いい場所でいいシチュエーションで使っていただければいいんじゃないかなと思います。」
今回の取材ではNHKの放送で使う呉の発音についてのご意見も数多くいただき、「地元向けのニュース番組では『クレ』という地元のアクセントを使ってほしい」「『クレ』の方が聞き取りやすい」という声もありました。
呉の発音について、今後NHK広島放送局はどうすればいいのか?放送用語を研究するNHK放送文化研究所に聞いてみました。
NHK放送文化研究所 主任研究員 塩田雄大さん
「『クレ』というアクセントは、共通語では、そう言うことを勧めているというレベルで、地元放送局として『クレ』を使うことは全く問題ない」
アナウンスチームも広島県域の放送では「クレ」というアクセントも取り入れていきたいと思います!
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「シラベルケーネ!」では皆さんからの情報や疑問を募集しています。
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https://www.nhk.or.jp/hiroshima/okonomi/shiraberukeene/
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